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サイの角のようにじゃなくて螺子のように掘り進め!
位置なんて気にせずにただ進もう。 固い壁に向かって真っ直ぐに力を込めてさ 螺子はグルリと回せば僅かに進むんだ。 固い壁の表面をかすかに削って。 目の前の壁は固い。 何かを留めるためには素手だけじゃ心もとないから何でも使え 全てを利用し、全てをつぎ込んでお前だけのそれを誇り高く掲示しろ 磨き上げたその先を食い込ませ ねじ山を絡みつかせ 強く 諦めてなるかと 食い込ませ 見せたい聞かせたいことを永久に留めておくれ 無機質の壁 前を通る人の足を止めるために 心をとどめさせたいのだ。 綺麗 汚い かまわずにただ一人の人間であることを喧伝するために。 サイの角のようにじゃなくて螺子のように掘り進め。 まだまだ視界は殺風景だ。 次をつなぎとめろ。 場所なんていくらでもある。 白く白く、ただ何も無いがゆえの白さがまだまだ満ちている。 終りの時間が来るまでただただ塗りつぶすように真っ直ぐに集中して、そう、想いと雑然とした何かを二重螺旋に刻み込んでねじ山を築き、何度も何度も突き刺すことを絶やさずに。 大丈夫。 心配するな 失敗しても諦めずに不恰好でも構わずにただただ無心に掘り進むのだ。 それも味さ。 それすらも乙な物と繰り返していけばそれこそがおまえ自身の証明となるのだから。 この壁はすべておまえ自身のためにある。 この壁は全てお前専用のものだ。 恐ろしいことに嬉しいことにこの壁に螺子を立てられるのはお前だけなのだ。 サイの角ではないおまえ自身である螺子を掴んで逆に回すせ。 やがて壁がお前に埋め尽くされるだろう。 もはや螺子を立てる場所すらも無いという幸せにたどりつけるかも。 そしたらお前は貼り付けた螺子を取り外すんだ。 それは掘り進むよりも辛く、痛みを伴うかも。 それでもお前は己自身の手でそれを取りはずさなければならない。 そうしなければ新しい物を提示することなど出来ないのだから。 時には前の方がよかったかも。 前と同じに見えるかもしれない。 その悩みを抱えながらそれでもお前はそれをやめてはいけない。 提示することをやめたのなら、これでいいと満足したのなら、そこでお前の時間は終わる。 あとは見知らぬ若人がお前の提示した物の上から自らのそれを重ねていくだろう。 それを嫌だと思うのならお前は進まなければならない。 サイの角は常に中心にあり、決して片方に寄ることは無く、歩みを止めることは無い。 その命を終えるまで。 お前もそうならなければならない。 そうありつづけなければならない。 開けた穴に引っかかるものがなく、提示したそばからスポリと抜け落ちないために螺子にその軌跡を刻み込んで深い深いそれをつくりあげ。 さあサイの角のようにではなく螺子のように掘り進め。
サイの角のようにじゃなくて螺子のように掘り進め! ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1468.0
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ポイント数 : 0
作成日時 2019-09-21
コメント日時 2019-09-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
サイの角のように・・・調べてみたらブッダの言葉として「犀の角のようにただ独り歩め。」というものがあるそうで、人との繋がりよりも己自身を大切に突き進めということらしいです。その事から"サイの角のようにではなく螺子のように"というのは地球に生きてる以上周りの人を巻き込みながら、繋がり合って生きるのがさだめであると示したいのだと考えました。基本的に自己啓発的な文書は読まないのですが簡単に邪険にしてしまえないような熱意があり、松岡修造が詩を書いたらこんな感じじゃないかなんて思いながら興味深く読ませて頂きました。 ひとつだけ違和感を感じたのはサイの角のようにではなく螺子のように生きろと散々力強く語り進めてきたのに最後になって "サイの角は常に中心にあり、決して片方に寄ることは無く、歩みを止めることは無い。 その命を終えるまで。 お前もそうならなければならない。 そうありつづけなければならない。"と、読み手はサイのようにもならなくてはならないのだと判明した点です。人は色んなものを見習わなくちゃいけないのでしょうが、螺子で突き通していたらスッキリしていたようなそんな気がします。
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