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穴
真夜中の古びたアパートで私の孤独な叫び声が貴方の心に大きな穴を開けたんだと思う。別に困る姿を見たいわけではないのよ。 «私がどれだけ貴方を愛していたか知っていますか?» 貴方は私がここまで愛しているのだと知っていたらきっと逃げ出したことでしょう。 怖くて怖くて、私を信じなくなったでしょう。だから、私は黙ってたの。貴方に認められる日が来る、その時まで……。 けれど、貴方は理解してくれなかった。 悲しくはないのよ。苦しくもないの。寂しくもないのよ。 けれど、不思議ね…。 自然に涙が溢れてくるわ。 «私には貴方しかいないのよ。» 貴方をどのような形であれ、手に入れたかったの。だから、私は今あなたを困らせている…。困り果てた姿の貴方でさえ欲しいから。 それなのに、何故?叫んでからの私の胸は、こんなにも大きな穴が空いているのだろう。 愛を語り合い、分ちあって来た貴方の背中を私は久しく見ていなかったように感じる……。私が叫んでからの後ろ向いて去っていく貴方の胸を見て気がついた。私と同じポッカリと穴が空いているように見える。 «愛しているとは何ですか?» この時、私は貴方との心が繋がった様に初めて見えたのよ。 そっか。私達はやっとひとつになれたのね。 気づいてしまったの。 «結局。あなたも偽物ね。»
穴 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1464.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2019-09-20
コメント日時 2019-10-04
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
モノローグを演劇風にまとめられていて、ちょっと私には抵抗感がありましたが、仮にこれがデフォルメな手法だとすれば、もっとやっちゃったほうがいいと思います。大声で叫べばいいのに、小声で大声で言うようなセリフをつぶやいてる感じです。 すみません。次回作も必ず読みたいです。
0コメントありがとうございます。 そうですね。大声で言うような台詞なので私も凄くムズムズしてしまいます…。 作品としては、大胆な方が良かったですね。(笑) もしかしたらあの時何も言えなかった自分を重ねすぎたかもしれないです。 次回作も読みたいと言って頂けて嬉しいです。これからも自分の感情だけでなく作品としてもしっかりと書いていこうと思うので今後ともよろしくお願いします。
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