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火星の生活
僕たちの欲望には 音楽が欠けている だとしたら ねえ デヴィッド 僕たちの音楽には 何が欠けているのだろう 逆立した呪術か 宇宙感覚か それとも高貴な欲望か 二十一世紀に入って もうずいぶん経ったのに ミッキーマウスは 相変わらず牛みたい 兵隊たちはダンスホールで 喧嘩ばっかりしている あ また爆弾が破裂しちゃった ねえ デヴィッド 僕たちの世界には 何が欠けているのだろう 魔法の技か 優しさか それとも燃えあがる忍耐か 灰から灰へ 臆病者から臆病者へ 爬虫類のように笑いながら 悪意の氷を砕く斧もない まだスペックが低すぎるのかな ねえ デヴィッド 僕たちの想像力には 何が欠けているのだろう デヴィッド・ロバート ヘイウッド・ジョーンズ 西部劇のナイフから 名前をもらい ブリキ缶に乗って 青い地球を頭上に眺め 犬になり英雄になり 男になり 女になり 赤い靴を履いてブルースを踊り 聖職者になり 独裁者になり 世界を売り飛ばし 人生より大きなドラマを 生きた君だもの 日本から来た猫のように 何度でも生まれ変わって 本当の嘘を言ってくれ ねえ デヴィッド 戯れの墓碑銘には なにが書いてあるの? 火星にもライフってあるのかな 地球に新しい音楽は生まれるのかな
火星の生活 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1551.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 41
作成日時 2019-09-07
コメント日時 2019-09-21
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 6 | 0 |
前衛性 | 6 | 0 |
可読性 | 6 | 0 |
エンタメ | 8 | 0 |
技巧 | 5 | 0 |
音韻 | 5 | 0 |
構成 | 5 | 0 |
総合ポイント | 41 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 6 | 6 |
可読性 | 6 | 6 |
エンタメ | 8 | 8 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 5 | 5 |
構成 | 5 | 5 |
総合 | 41 | 41 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
難しい詩だな、と感じました。後半、「君」=「デヴィッド」と読むしかないのですが、君、はあらゆるものになり「人生より大きなドラマ」を生きたとあります。つまり、役者かな、と読みましたが、主人公とデヴィッドは冒頭「音楽」を共同でたしなんでいることが示唆されています。また、「欲望」には「音楽」がたりない、しかし音楽に足りないもののリストの中には「欲望」がきっちり入っています。このずれ、符号のかみ合わなさをどう読めばいいのか、力不足で読み解くことが出来ませんでした。しかし、近未来っぽい、外国ナイズな描写はイカスな、と思います。
0ふじりゅう様。お読みくださり有り難うございます。 この詩は(詩というより、頌詞かもしれませんが)少し補足説明が必要だったかもしれません。 これはデヴィッド・ボウイの一周忌にあたり、ファンの人々のために書いた、ボウイへのオマージュのような文章です。中に出てくる様々なイメージ(20個ほど)は、いずれもボウイの作品のタイトルか歌詞を踏まえたもの。冒頭の「僕たちの音楽には欲望が欠けている」はランボーの「イリュミナシオン」の一節です。稀代のトリックスター、ランボーとボウイを重ね合わせた構成です。
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