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優しい人
大人になってブランコに腰かけても あの頃みたいにうまく遊べない さびついた鎖を強く握りしめたのは 自分が悪いと思いたくなかったから 間違っても履き違えても 自分が正しいと信じていたくて 流行のうた ヘッドフォンを耳に当てて 大音量でこころ塞いでいた 楽しかったら笑っていいんだろうか 悲しかったら泣いていいんだろうか 誰かを傷つけるくらいなら私ががまんすればいい 馬鹿げてるってわかってるのに 子供のころに読んだ絵本開いたら おとぎばなしの向こうに答えが見つかった 最後まで読むことが出来なかったのは お姫様は幸せになれなかったから 迷っても途方に暮れても 間違っていると気づきたくなくて ものがたりの続きを思い描いては ハッピーエンドを探していた うまくいったら喜んでいいんだろうか しくじったら諦めなくちゃいけないのか 自分を虐げるくらいなら誰かを蹴落とせばいい 出来っこないってわかってるのに
優しい人 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2323.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 36
作成日時 2019-09-01
コメント日時 2019-10-07
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 2 |
前衛性 | 4 | 0 |
可読性 | 7 | 2 |
エンタメ | 3 | 0 |
技巧 | 5 | 0 |
音韻 | 5 | 1 |
構成 | 5 | 0 |
総合ポイント | 36 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.8 | 1 |
前衛性 | 1 | 0.5 |
可読性 | 1.8 | 1 |
エンタメ | 0.8 | 0 |
技巧 | 1.3 | 0 |
音韻 | 1.3 | 0.5 |
構成 | 1.3 | 0 |
総合 | 9 | 2.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「さびついた鎖を強く握りしめたのは 自分が悪いと思いたくなかったから」 というところが、私個人としては、意味を深く考えなくても、伝わってくるような強さを感じました。優しい人が葛藤する心の様子が伺えます
0感想ありがとうございます。 なにかに力を込める時って葛藤がありますよね。 タイトルの優しい人が、わたしとしてはお気に入りです。
0ご投稿ありがとうございます。 >間違っても履き違えても 履き違えるという意味は二つあり、「履物を間違って履くこと」と「意味を取り違えること」の二種です。主人公は誰かに何かを言われ、または教えられ、その意味を取り違えた結果を悔やんでいるとも取れますが、私はあえて前者を取ろうと思いました。なぜなら、「ブランコ」の描写が前者の意味と繋がるような気がしたからです。ブランコで「靴飛ばし」の遊びをして、靴を失った私は履物を違えた、ままここまで進んでしまった。そう捉えた方が、一連目の描写ともつながってくるような気がしました。 また、「間違った」ことと「履き違えた」ことは、「も」という助詞によって「別々のもの」となっている点も面白く感じました。履き違えたことは、(当時)間違ったとは感じていなかったという事です。しかし、それとは別件で間違ったと認識する何かがあった。 惜しむらくはその具体性が書かれていない点ですが、何にしても楽しく拝読させていただきました。
0ふじりゅうさま 丁寧なコメントありがとうございます。わたしの詩をこんなにも真摯に読み解いてくださったそのお気持ちがとても嬉しいです。 間違うと履き違えるは、やはり意味は違いますよね。間違うは、選択せず間違います。履き違えるは、いくつか選択肢があって正解を間違って結果的に間違ってしまうのではないかなと。個人的にはそう思っています。 履き違えると靴飛ばしは、意識的には関連させてません。でも、いつのまにか関連させていたのかもしれません。 具体性を詩に盛り込むのは、わたしはまだ未熟なのでとてもむずかしいです。具体的な出来事を詩に盛り込むと、それはだらだらとした説明になりがちで、詩が詩でなくなってしまいがちです。少なくとも、わたしはまだ未熟なので、そうなりがちです。 ありがとうございました。
0とても丁寧に書かれていらっしゃるのが伝わってくる作品だと思います。特にそれを感じるのは、1連目と4連目の、冒頭に残念な気持ちがあって、その残念な気持ちの理由を連の最後に置かれていらっしゃるところです。構成に整いがあります。 そこで、私が思うになんですが、詩文はどちらかというと、めちゃくちゃな方がいいんじゃなかろうかと、そのように思うのです。(すみません、私の好みがかなり入っていますが)なぜならば、人の心象はとても複雑な動きをするものではなかろうかと思うからです。物語・ストーリでなくて、ぐちゃぐちゃな気持ち・心というやつを自由に、ある意味で文法無視で(一人ぐらいに伝わればいい、ぐらいな)書かれると、え!って自分でもびっくりするやつが書けたり、することがあるかもしれません。失礼しました。また、次回作読みます。
0みうらさま ご感想ありがとうございます。 わたしはあるはっきりとしたきっかけがあって、10年ぶりくらいにまた詩を書き始めました。学生時代も数年ほど書いていましたが、全く違った性質のものでした。 そして10年ぶりに書き始めて、まだ1ヶ月経っておりません。 いろいろとだから、成っておりません。 ふたたび、いろいろな方の詩を読ませて頂いて、やはりめちゃくちゃなやつでも、一見めちゃくちゃなやつでも、本当に優れて皆に評価されているものは、完成度が非常に高いです。選び抜かれた言葉が並んでおります。それらの詩は、一見文脈が繋がってなくても、人の心や情景をある種のハサミで切り取ったものとして、優れた絵画のように絵になっております。そしてそれらの詩を書く人々は「ひとりに伝わればいい」と思っているかもしれませんが、やはりすぐれていると沢山の方から評価されております。 わたしが、わたしの言葉で詩を書けるのは、たぶん何年も先です。まだまだ模索中です。 丁寧なコメント、ありがとうございました。
0こんばんは、お邪魔します。 とても共感できる、素敵な作品でした。 葛藤している姿が浮かび上がります。 「楽しかったら笑って良いんだろうか」、「悲しかったら泣いて良いんだろうか」。 時折ふと、思います。 勝手だなとは思うのですが、どこか自分の姿と重なる部分があり、共感させて頂いております。 ブランコに乗っていたあの頃が懐かしくなりました。
0月隠緯檻さま ご感想ありがとうございます。 これは、わたし自身の詩ではないのですが、まあ、こういう人を想定して書きました。わたし自身は自分を正しいと思いたい人は苦手です。正しいと信じてる人はこわいです。両者は決定的に違うのだけれど。 ご自分と重ねられたということで、なんだか嬉しいです。 コメント、たくさんいただけて嬉しいです。ありがとうございます。
0前作と同じような構成が とても歌詞的な構成で丁寧さを感じます。 個人としてはスガシカオのやるしんみりな音楽が似合うなと思いました。 言葉遣いは勢いで書いたってよりは 相応しいのは何かを選びながら作った感じが伝わりました。 とても素直な詩です。
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