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白き空に
おれは 空白でしかないではないか。 生きることが。 余白でしかないではないか。 死にゆくことも。 何も無い 何も無い。
白き空に ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2708.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 10
作成日時 2019-08-22
コメント日時 2019-09-07
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 10 | 10 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.3 | 0 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 0.7 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.3 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.7 | 1 |
総合 | 3.3 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
このような特殊な形での短詩を手放しで褒めるのは、やや気が引けるのですが、上手いなあという印象。空白でしかない、余白でしかないと話者は綴っているが、そこに自己憐憫はなく、達観のようなものがある。嘆いて自らを憐れむ要素がない。だからこそ「生きることが」「死にゆくことも」「何も無い 何も無い」が痛切に響き、馴染んでくる。技術的には空白、余白には話者の独白の空無と、実際「何も無い」ことが表されてるのかもしれないですが、個人的には静かな音楽、訥々と響くピアノの音、あるいは切れかかったオルゴールの音のようなものを感じました。
0好きです。 上の方と同意見になりますが、こういう詩の場合、かけることが多い/表現できるものが多い故に描写を重ねすぎて重く感じる印象の詩が多い、或いは削ぎ落しすぎて印象に残らないものが多いですが、空白と余白と、それを読むためにスクロールする時間合わせて丁度良いなあと。
0stereotype2085 さん 楽子 さん 仲程 さん ありがとうございます。 うう……さすが見巧者の慧眼、 芯をズバリと射抜かれました。 まして 《個人的には静かな音楽、訥々と響くピアノの音、 あるいは切れかかったオルゴールの音…》 まで見抜かれるとは。 なんだかんだ言っても「共感のドーパミン」には 見苦しまで腰を振ってしまう己が恥ずかしい… ただ、そうであるがゆえに そこには誰しもかかえる 類型的な虚無に区分けされる 有り体なつぶやきの意味しかないのかもしれません。 しかし、ここに並べた言葉にかかる力は とても切実で重いのです。 過重な仕事と家庭の不安に板ばさみになる お定まりの中年男の逃げ道は 暗く危険で歩けたものじゃありません。 もう自分の言葉にしがみつくしかなかったのです。 題につけました「白き空」は 昨年末は大晦日の日暮れに ひとり見上げた実景なのです。 溶け残る雪に白く塗られた稲田に 点在する家々の見える 寄る辺ない道をひとり音楽と歩いたときの実感は 楽子さんもおっしゃいますように 思いが強いほど言葉になりませんでした。 仲程さんがおっしゃいますように 《詩はかっこいいもの》と 再認知される世になればと思います。 「はぁ? ポエムかよ…」 「宮澤賢治? メルヘンじゃん」 「俳句・短歌はなんかイケてるけど、詩は…」 と唾棄される時代がしばらく続いてきましたが 《詩はモテる》と低俗な道具に使われる時代こそ 歓待するべきだとすら考えます。
0こんにちは。こちらの作品もコメントしておきたいと考えていた作品のなかの一つなのですが、空白の部分をどう受け止めて解釈するか、ちょっと時間をおきました。 鑑賞としては、《何も無いこと》が重々しく伝わってきました。言葉を切れ切れに落とす方が、かえってその心情におしこめられたものを伝える、ということはあります。あるいは《何も無》さが内的に膨張したあまりに、少ないながらにも言葉が外に洩れてしまったのかもしれない。いずれにしても、そのようなものが空白の部分を通して、伝わってくる作品に思います。 翻って、書く立場に立った場合。これは先に書いたことを逆にしてしまうようなものですが、「重々しいくらいのなにかしらがあり、それが《何も無い》という言葉によって現れている」、あるいは「明確にこれと言い表せない多くのことの混合が内的に膨張したがために《何も無い》という言葉によって外部に洩れてしまったのではないか」と考えられるということです。 つまり、《何も無い》は本当に何も無いのではなく、はっきりとは認識することが困難な何かしらが充満しているのではないか、ということです。もし、そうであるなら、その空白を言葉で表していくとstereotype2085さんがコメントしたような「静かな音楽云々」といったものにもなるかもしれないのですが、そこから鈴木さんご自身の、これとは異なった詩がはじまるのではないかと思いました。
0空白をうまく使いこなしていると感じた。「何も無い」ことを示す一番のやりかたは、やはり何も書かないことに尽きるだろう。
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