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ペンチメント
“今日こそはうまくやろう” と 貪るコンビニ弁当とは如何なものか 即席スープは灯油の味にも感じる ビル群に抽出された空から 僕だけ選んだみたいに降る雨 それは追い討ちをかける哀しみと似ていた 遣る瀬無さを誤魔化す煙草の煙に 嫌な顔をした女子高校生 あんな大人にはなりたくないね と 笑って予備校を通り過ぎる ゲームセンター蔓延る怠慢 パチンコ屋を出る男と腕を組んでいた 街にこだまして コンクリートに落ちる “明日からだから” “今日こそはうまくやろう” あれは幾年か前の夏だ 僕は屋上の錆びた手摺で命を投げようとした あの屋上に置いてきた過去と 廃ビルは共に取り壊された 結局、過去なしでは前にさえ歩けないと知る 耳鳴りの奥で 頑張れと行き交う 確かなことはただ一つ 負けたくないが 負ける自由は欲しい 夢は必ず叶うもので 生き抜くことだけが正しい それら全て神様の受け売りかい? ならば神様だって殺してやるよ ほら、また僕が悪者だ 朝が来たらまたバイトに出ないとなぁ 朝日が昇る “今日こそはうまくやろう”
ペンチメント ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1594.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2019-08-05
コメント日時 2019-08-21
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 5 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 9 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.7 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.7 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.3 | 0 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「承認欲求の発露が終始垂れ流されているのみで、作品として昇華し切れていない。 」と、以前私は自作に対してそのような評価を受けたことがあります。「ペンチメント」において「承認欲求」が全面に押し出されることはありませんが、前述の引用を援用しますと「感傷を作品として昇華し切れていない」ということになるのかなと思いました。 〉“今日こそはうまくやろう” という感傷に至るプロセスを、もう少し工夫することで、作者様の「“今日こそはうまくやろう”」という感情をより適切な形で表現できるのでは、と思いました。厚かましい限りですが、三角みづ紀『オウバアキル』、久坂葉子『久坂葉子詩集』、シルヴィア・プラス『シルヴィア・プラス詩集』の三作をお薦めさせてください。 本作に露出している感傷に関しては、分からなくもないものですから。
0ご投稿ありがとうございます。前半~中盤が非常にきれいにまとまっており、退廃的な情景が読者に浮かぶ構成になっていることは十分作品としていいレベルに達している印象を受けました。 他方、後半はやや失速したような感覚がありました(理由はすべて左部さんの通りです)が、読んでいて共感できる所も多く楽しませて頂きました。 ぜひとも投稿、合評共にお楽しみ頂き、自作の発展に繋げていただければ幸いです。
0こんばんは。うまくいかない日々を頑張ってなんとかかんとか生きている《僕》の生活感とか歯痒さ、もどかしさが感じられます。 ひとと話していて、時々わかるのは大抵のひとに、過去の苦い経験があるということです。そして、明るさにも陰にもそうした経験への後悔が多少なりとも関わっていることに気づきます。 それが見えた時に、人間らしさを感じて、あー、頑張ってきたんだなぁ、としみじみとし、また爽やかさを感じます。 “うまくいくといいな、今日は。” 《僕》にはそう声をかけてあげたい。
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