せいけつなくらしと、 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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せいけつなくらしと、    

あまたたびのうそを 正の字をしるして数えた いくつめかの正の字の四画目で 私は手を止め 手を止め 窓の外の群青を仰ぎ見、た 日は沈めばまた登り われわれが定めた暦に応じて 昨日までのことがなぜだか改まった気になる とはいえ、なにも変わってはいない 日は昨日と同じ日で 月は昨日と同じ月で 今日も昨日の風が吹く そっと摘み取って息を吹いた 思うようには飛ばない綿毛 全てがうそのようであった 私は思い切り力を込めて 一本の横棒を書き足した 私にとってはこれな人生最後の正義であった


せいけつなくらしと、 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1117.2
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-05-28
コメント日時 2017-06-19
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:1117.2
2025/04/10 23時45分00秒現在
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    作品に書かれた推薦文

せいけつなくらしと、 コメントセクション

コメント数(6)
葛西佑也
(2017-05-28)

※最終行 私にとってこれが最後の正義であった お恥ずかしい誤字。

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エイクピア
(2017-05-30)

あまたたびのうそを 正の字をしるして数えた いくつめかの正の字の四画目で 私は手を止め 手を止め 窓の外の群青を仰ぎ見、た 矢張り最初のこの連ですね。簡潔な表現の中、内容的にも可不足が無いと思いました。「正の字」「群青」など印象的な内容がありました。詩の根幹があると思いました。

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まりも
(2017-05-30)

指を文字から離すことなくなぞりながら音読していくような・・・御簾やすだれで日差しを遮った室内で、数人で書き物を囲んで、ひとりが静かに音読しているような。 2連目から、急に現代にリンクしていく感じがありました。なぜなのか・・・ 昨日までの事件を、まるで終わったことのように過去に流して、新しいニュースを重ねていく。それが「正しい」事実の伝え方、であるなら・・・あの日の出来事、あのときに見聞きした事件、にこだわり続けることは、「正しくない」ことなのでしょうか。記憶は、呼び戻された時が「今」です。過去の時点でわからなかったことが、あとで思い返して、わかったりするときもある。 過去の記憶を再生するとき、心の内で何らかの編集が行われ、物語として確定していく。その事まで含めれば、世界は虚構の集合体とも言えますね・・・ せめて文学の世界は、世間一般的な事実としての物語ではなく、その人にとっての真実である虚構を追求してほしいと思います。 批評というより感想でした。

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葛西佑也
(2017-06-14)

仲程さま コメント、誠にありがとうございます。好きという言葉は、最大の賛辞だと思います。大変嬉しく思います。正義や嘘と言った言葉は、よく目にしたり耳にしたりするものの、とても難しい言葉だと感じます。この詩の中で、どれだけインパクトを持って語れたか甚だ不安ですが、何かしら響いたようでよかったです。 鈴木海飛さま 丁寧にお読みいただき誠にありがとうございます。飛躍できる詩の方が、私は面白いと思います。鈴木さまの読み、大変興味深く拝読いたしました。短くまとめたが故に、様々な解釈の可能性が生まれたようで、それが私の意図するものせぬものであるに関わらず、作品を育ててくれるのだと思います。貴重なご感想、感謝いたします。

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葛西佑也
(2017-06-15)

花緒さま ありがとうございます。タイトルには、いつも気を配っているつもりですので、嬉しく思います。確かに、全体として、パラドックスと呼べる内容に仕上がっているといいますか、仕上げたつもりです。短い中に、仕掛けがあるのですが、それが有効に作用しているか、不安ではありましたが、コメント拝見し、成功している部分が多いのかなと思いました。励みになります。 エクイピアさま コメントありがとうございます。いつもは長たらしく書いてしまうのですが、今回は短く凝縮させてみるのが目標でした。お褒めの言葉、ありがたいです。

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葛西佑也
(2017-06-19)

まりもさま ご感想、誠にありがとうございます。現代とはるか昔とを行き来するような、そんな作品が昔から理想です。そうして、古くからの世界と現代とがリンクし、様々なことへの気づきがあるような。書き物は書いた瞬間にノンフィクションであっても、フィクションの要素が出てくると思うのです。書き手による記憶の解釈であるとすれば、そこには当然、現実をそのまま寸分たがわずに切り取ったものがあるわけではないので。そういうことを考えながら、こちらを書き上げました。

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投稿作品数: 1