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電気羊に祝福を。
電気羊は駆動音を響かせて空を仰いだ。 そうして、秋穂ざわめく草原にその四つ足でしかりと立った。 お前が何を感じるかは解らぬが 今日は実に風の気持ち良い日だよ。 ああ お前のその毛並みは、朽ちる事を知らない文明の贈り物。 お前のその冷たい骨は、大地と灼熱の炎の愛の結晶だ。 瞳の硝子を照らすその光は 宇宙がお前を祝福しているんだよ。 ああ、電気羊よ。 お前がこの秋穂に、何を映し出すか解らぬが 今日は実に風の気持ち良い日だよ。 ねえ、解るかい?
電気羊に祝福を。 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1794.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 11
作成日時 2019-06-25
コメント日時 2019-06-27
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 11 | 11 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0.3 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3.7 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
たぶん『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』ネタなんだろうな。未読なので判断できないが 判断できなくても、割といいなと思える
0仲程 様 渡辺八畳@祝儀敷 様 ご拝読ありがとうございます。 渡辺八畳@祝儀敷様の言う通り、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」からの引用です。 あの小説はざっくり説明してしまえば、アンドロイドと人間を別ける境目は何か。という所から人間らしさを描き出そうとした小説です。 舞台となる世界は放射能汚染で荒廃した、動物を飼うことが一種のステータスとなっている世界で、動物を飼うことが出来ない主人公がアンドロイドである事を隠して飼っているのが、電気羊です。 命ってなんだろうと考えた時に、無機物と生物の間にある差は、命の有無ではなくお互いの内宇宙を理解出来無いだけなんじゃなかろうかと考えて、その時浮かんだのがこの電気羊でした。 機械仕掛けの羊を自然の情景に登場させて、人間的情感で語る事でそれを表現しようと試みましたが、どこまで出来たかはイマイチわかりません。もう少し寝かせても良かった気も正直しています。 お二人とも好意的な意見をありがとうございました。
0電気羊にとっては、さわやかな風も揺れる秋穂も自己を脅かす何かと判断する可能性があるし、もしかしたら空を仰いだのも機械を錆び付かせる雨が降る確率を計算していたのかもしれない。 けれど、それが電気羊の在り様なら、僕が行うのはそんな彼への人間らしい祝福です。
0日々世話をしているホルスタインたちを思い起こしました。 全身全霊で何も考えてない気がしてならない奴らですけど。 とはいえ、ホルスタインはホルスタインの感覚で世界を見て、感じているわけで。 それと同じくこの電気羊も、何かを感じているのでしょう。 擬人化して考えてしまいますが、多分違う世界を感じている。 でも、この風は同じように感じてほしい。 そう読みました。
0最近、肯定的な意見、感想がなかなか浮かばない中で、一読して心地よさを感じる詩でした。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は私も未見なのですが、電気羊を私は単なる機械化された羊として、読み解いていきました。秋穂と電気羊の対比、そして電気羊が何を感じるのかに想いを馳せる様は、詩情を喚起させるに充分で、読者としての私も月並みな表現ですが「悠遠」を感じました。筆者様のコメントにおいて「アンドロイドは…」の読解がなされており、この詩にはより一層の深みがあると思いますが、一先ずは機械化された羊と解釈して、予備知識なしでも、存分に楽しめる作品でした。いい作品でした。
0羽田恭 様 ホルスタインを飼ってらっしゃるんですね。 今日たまたま読んだネット記事からの引用ですが、アメリカ大陸の先住民の話で、人間にとっての血をジャガーは「マニオク酒」とみなすと言うそうです。 ホルスタインはどの様な五感を持ち、何を感じるのでしょうね。 ご拝読ありがとうございました。 stereotype2085 様 ありがとうございます。 「悠遠」良い言葉ですね! そういった、瞬間が果てなく続くような静けさを感じて頂けたなら幸いです。 「アンドロイドは〜」を知らない方でも 楽しんで頂ける事がわかり、安心しました。 ご拝読ありがとうございました。
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