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幼児
本当は君は、なんでも知っている。 なんでもだ。君は何百年何千年と生きてきたのだから。 でも君はそれを周囲に伝えられない。君はまだ言葉を知らないから。 そして君はまだ理論づけて物事を話す能力を身につけていないから。 君は周囲の人間を小馬鹿にしている。両親も先生も周りの子供たちも。 おれは何でも知っている。なのに何故、それを表現できない? そういうもどかしさを君は常に感じている。 ときたま聖霊たちが現れる。自分以外に誰もいないときに。たとえばトイレの個室にいる時に。 君は先生に怒られてトイレに閉じ込められる。そして泣く。どうしてあんな人間にわたしが咎められなくてはならないのだろう? 聖霊たちが現れる。それぞれの色彩をもった彼彼女らが。 彼彼女らは君を慰め、アドバイスを与える。でもその頃には、聖霊たちの言葉は君の耳には届かない。君はもう年を取り過ぎたから。
幼児 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1393.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2019-06-20
コメント日時 2019-06-20
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 3.5 | 3.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして、ちいさい人への目線が、なんだか大人が持つであろう人格より 素晴らしいなにかを見い出しておられて素敵です。 先生に怒られてトイレに閉じ込められる。のくだりは かわいそうですね。 幼児とい題名で先生だから、幼稚園保育園とか託児所でししようが、嫌な先生ですね。 詩の中の話だというのに、やめてあげてほしいと 思いました。 拝読していて もっとも想像が楽しかったのは、最終連でした。 精霊が慰め、アドバイスを与える。でもその頃には、聖霊たちの言葉は君の耳には届かない。 ちいさい人は ときどき妙に醒めた目をしていたりすることがありますね。どこか覚醒しつづけている感じがよく出ていて、最終連をなんどか繰り返し読み返しました。 先生にトイレで閉じ込められるくだりは、かわいそうでした。詩の中のお話だというのに、理不尽な目にあわせないでほしいなと 思いました。
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