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過去からの旅人
ささやくように 話しかけてくる 冬の足音 秋の終楽章の フィナーレは もう間近 木枯らしのような 冷たい風が 吹き抜け 舞い落ちた枯葉たちが 公園で戯れるころ 過去からの旅人が やってくる それは ぼくのこころに住みついた セピア色の彼方の もう一人の自分 アルバムという 馬車にのり 時が止まったままの 写真を持って 色あせた 約束の言葉を胸に きみがくるはずの 公園を目指す ぼくは 忘れてはいないけど きみは 忘れたのだろうか 一日一日と 過去は積み重なり 一日一日と きみは遠ざかった もう何年になるだろう 約束した いつもの公園に来てしまう あのとき ぼくのこころのなかは きみだけだった あれから ぼくは多くの恋をして 今は幸せのはずなのに なぜだろう ふたりの未来を夢みていた 若いころを想い こうしてきみの面影に 口づけるのは 今年もまた くるはずのない きみを待ち 待ちぼうけの 日が暮れる
過去からの旅人 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1611.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2019-06-14
コメント日時 2019-06-17
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 1 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とても好きです。テーマとしては過去を忘れられずにいる、つまり先へ進むことを拒む気持ちなのだと思いますが、このように行間をたっぷりあけることで読んでる方もゆっくり一つ一つの文章を味わうことになる。内容と手法がリンクされていて、とても面白いと思いました。行間からアルビノーニのアダージョが聞こえてきそうです。
0この詩は現フォに投稿して、まあまあのポイントをいただいたものですが、少し気に なるところがあって、2箇所ほど修正しました。改訂版として再び同じところに投稿 される方もいますが、私はこちらに投稿しました。完成度を高めたと思っています。 哀愁亭 様 お読み下さりありがとうございます。 >行間からアルビノーニのアダージョが聞こえてきそうです。 鋭いアンテナをお持ちのようです。つい最近ですが私の創った詩(涙のカルテット)で も、少女が大空の神秘的なカルテットを聴くという部分があります。最初だけ紹介し ます。 少女が窓辺に腰かけて 静かに外をながめながら じっと何かに聴き入っている その目からこぼれ落ちる 涙のしずくは キラリとひかる美しい ダイヤモンドのように つめたく輝いている なぜ泣いているのだろう あまりに悲しいめにあうと 聞こえてくるという 青空と太陽 そして 風と雲がかなでる 神秘的なカルテット 少女はきっと恋人と 離ればなれになったのだろう-------- こんなふうに、趣味の音楽を採り入れたものが多くなっています。
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