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名前の付けられない記憶、そして今。
夜の街を、傘をさしながら、人混みに混ざって僕は駅に向かって流されていく。 本格的な梅雨の到来もまだなのに、僕はまた、あの夏のことを思い出していた。 あの日、田園風景と夕暮れの空の下、下校途中の橋の真ん中で突然振り向いた君は。 「ねえ、キミはこの先に、何かあると思う?」 そう言って、キミは笑顔で黄昏の空の世界に落ちていった。 ただ呆然としているいる僕を、ヒグラシが嗤っていた。 あの日の問いかけの意味は、未だによく分からない。 増してや、それに対する答えなど検討もつかない。 多分、世間に言われるままに生きてきた、そして生きていく臆病者の僕には、一生わからないのだろう。 君は本当の意味で強い人だった。 やりたい事をやり通せる人だった。 だから、君はそんな事ができたのだ。 僕は君のような人には、なれない。 自分の命すら自由にできない僕は、今を生きるしか無い。 そんな事は分かっている。 なのに。 気がつくと、薄暗い通りで明るく光る子供服のショーウィンドウの前で、一筋の涙を流していた。
名前の付けられない記憶、そして今。 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2093.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2019-06-09
コメント日時 2019-06-28
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 8 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
実際に経験された事なら、人生で一度あるかないかの衝撃の記憶として残り、 詩人なら、こんなふうに詩をかくと思います。良くできていると思います。
0stさん コメントありがとう!コメントに気づくの遅れてごめん! よく出来ているって言ってくれて嬉しいよー 実際に経験した事では無いんだけど。昔、小説に若干手を出してた時の没ネタをもとに作ってみた作品だよ。(なお、小説は発想力が無さすぎて1ヶ月で辞めたもよう)
0ヒグラシのところ、誤字っぽいのがあるのが惜しいかなと思います。 全体としては、味のある作品といいますか、主人公の切ない感じが伝わってきていい感じです。 君からキミへの移り変わりが、セリフをまたいで変わっています。そこの解釈が難しかったですが、なんとなく、君という具体的な存在がぼやけていく様子のようでいいと思いました。
0ふじりゅうさん コメントありがとう 呆然として「いるいる」になってるね。本当に恥ずかしい。 あともっと恥ずかしいんだけど。鍵カッコの次に現れるキミはただの誤字なんだ。本当はキミじゃなくて君なんだ、、、 主人公と君を区別しようとしたんだけど。誤字のせいで、なんだかよく分からないことになってしまった。最近誤字が多くなってきた気がする。もっとしっかり見直しせねば。
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