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喜びを増やすより悲しみを減らしたい
見る。 見る。 見る。 見えるようになる。 新生児はこの世界からもう逃避できないことが確定してから視界が明瞭になる。 それと同じように、 花は美しすぎて色彩がグロテスクだ。 美しいよぉ…… (キッチンの床に座りながら今これを書い 人体が転がっている。 ている。換気扇のライトは橙のみで、永 それが見える。 続する夜に加担しかしない) 触れることもできる。 五感にて認知ができる。 あらゆる隅で大気渦が発生している。 塵が舞い上がって落下してを繰り返している。 シーツの染み。 漂白するには時が経ちすぎている。 いつの日のものかもはや知らない。 自分がつけたものなのに知らない。 人体に針を刺せば、 びくんと跳ねるはずだ。 それをやらずに、 (床の高さにいるとダストボックスから生 漏れ光だけで、 ゴミの臭いが直に鼻腔を犯す。煙草の吸 斜めに走る布をそこに留めて、 殻と混ぜれば罪同士で相殺すると思って 幽かな音を(よせばいいのに)確立させ、 いたのに。小蝿の幻覚が見えそうだ) そして潜みながら発生し続ける渦を黙認しながら、 人体を見て、 人体の背中を見て、 人体の背中の皮膚のまだらを見て、 人体の背中の輪郭の曲線を見て、 人体の背中の背骨の山一つを見て、 (叫んだ。 人体を見て、 見て、 見て、 見て、 見て、 見て、
喜びを増やすより悲しみを減らしたい ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1663.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 14
作成日時 2019-05-27
コメント日時 2019-05-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 4 | 4 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 14 | 14 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 1.5 | 1.5 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1.5 | 1.5 |
総合 | 7 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
一行がとても長く、スマホからだとレイアウトが崩れるため画像もつけておきました。
0「新生児はこの世界からもう逃避できないことが確定してから視界が明瞭になる」 という部分が、舞台を作っている気がしました。一気に読んでしまうぐらいの知的な詩ですね…とても良かったです。 こう表現してしまうのか!…すごい、とつい未熟者な私なんかは思ってしまうんです。 渡辺八畳さんの詩は結構読んできましたが、前衛的な方の作品であると感じました。 次回作も期待しています。
0題名を「苦しみを減らしたい」から「悲しみを減らしたい」に変えました てかホラー映画のED曲でこの詩の題名と同じなのがあったはずなんだよ。検索しても出てこなくて。 せいろんさん 最近はこういった前衛的っちゅう名の現代詩的なやつ書いてます 私の詩作はそうなんですよね、まず箱庭を作って、その空間内にオブジェクトを配置していく。だから詩中空間が3Dになるように意識している。 んで、 >新生児はこの世界からもう逃避できないことが確定してから視界が明瞭になる ってのは箱庭の色調を規定する役割がある行ですね。空間は規定しないけど色合いを定めている。
0渡辺八畳さん すみません!私の文章がおかしかったです。 「一気に読んでしまいました、知的な〜」 でした。申し訳ないです。 失礼しました!
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