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前に書いた暗い詩
「転ぶ」 転んだ人を笑わないで。その人は心に深い傷を負って、絶望と悲しみに打ちひしがれ、それを誰にも言えずに苦しみ、食べることも眠ることもできなくなったのかもしれない。その人は良心の呵責に苦しみながらも、何とか生きようとして自分の進むべき道を探し、祈り求め、叩き続けて、ようやく心に差した一条の光に、救いを得たのかもしれないのだから。 「トンネルを抜けると」 人生の長いトンネルを抜けると御国であった。実際、長いトンネルの中を歩いてきて、ようやく出口らしきものが見えてきた。あの先に見える光がその証拠だ。ずっと暗い中を歩いてきたから、いきなり外へ出たらまぶしくてくしゃみをするか、一瞬目が見えなくなるかもしれない。だが新しい世界が見えた時、そこには気持ちのいい青空が広がっている。 「蛾でありたい」 蛾は暗い所に居て光を求める。 僕も暗い所に居て光を求めている。 希望を求める蛾でありたい。 「一本の木」 木を見ると森は見えない。 森を見ると山は見えない。 山を見ると星は見えない。 でも望遠鏡で遠くを見る人が、目の前の一本の木に気づくだろうか。 まず自分を……それから人を愛したい。 「その愛に」 神は人類を憐れんで御子を地に遣わしてくださった。御子は罪深い私たちのために、その命を投げ打ってくださった。人のために自己を犠牲にする、これより大きな愛はない。私は、その愛に感謝したくて、その愛に応えたくて、この思いを誰かに伝えたくて、これを書く。 「祈り」 今日とても苦しくて、それでも眠りから覚めて救われたように感じたのは、昨日どこか遠い地で、誰かがみんなの平安を祈っていたからかもしれない。祈られた今日が明日を祈り、そうして世界は廻っているんだ。 「むかし誰かが」 むかし誰かが死んでくれた。死んでくれた人にとって価値のない命などなかった。どんな命も大切にされている。それは言葉が愛だったから。死んでくれた人を信じることによって、僕らは新たな希望を持つことができた。かわりに死んでくれた人がいたので僕らはみんな死ぬ必要がない。
前に書いた暗い詩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1495.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 19
作成日時 2019-05-01
コメント日時 2019-05-03
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 9 | 6 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 6 | 3 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 1 |
総合ポイント | 19 | 11 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.8 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.2 | 1 |
エンタメ | 0.2 | 0 |
技巧 | 0.2 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.4 | 0 |
総合 | 3.8 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「蛾でありたい」 の詩が良かったです。 普通なら蛾からは希望などは感じないような気がしますが、比喩としてぴったりと合っていて、なるほどと思いました。どの詩もいいですが、私はこの詩が好きです!
0仲程さん。お読みいただきありがとうございます。いつもと違いますよね。これは詩を読み始めた頃に書いた文章です。
0せいろんさん。お読みいただきありがとうございます。
0沙一さん。お読みいただきありがとうございます。ゲーテは格言集みたいなのを少し読んだことがあります。その詩は知りませんでした。
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