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産声
百点の人生を生きて欲しいと、 誰もが願った。 生きてもみると、 百点からは程遠く、 及第点かどうかさえも、 疑わしい。 七十点はあったであろう、 幼少期 友人のおもちゃを壊して、 減点された。 (壊していないと言い張ったので厳しく指導された) 五十点はあったであろう、 少年期 親しい人の期待に背き、 減点された。 (どうやら親は子を選べないらしいので、私はきつく自分を罰した) 三十点もなかったであろう 青年期 人に言われたことを実行できないようで、 減点された。 (「言っちゃいけないことを言っちゃいそうだわ」、「人としてどうかと思うぜ」と私を評価する人たちに言われたので、どうやらそういうことらしい) 限りなく零点に近い、 現在 今日も酒が抜けずに目を覚まし、 誰かにひどいことを言ったのではないかと、 びくびくと怯えている。 産声をあげた頃、私を産んだ人たちは 零点でもいいから 力強く生きて欲しいと 命の誕生を、 祝ったらしい。 埃を被ったその事実が、 小さな一を私に足した
産声 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2046.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 12
作成日時 2019-04-23
コメント日時 2019-04-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 12 | 12 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.7 | 0.5 |
エンタメ | 0.3 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
どれだけ減点されても、最後の一点の価値があまりにあまりに大きくて。最後まで読んで胸が詰まりました。素敵な詩です。ありがとうこざいます。
0はじめまして。 面白かったです。「あるある」という感じで。 でもだからこそ最後どうなるかと思ったけど、救いもあって気持ちよく読めました。
0哀愁亭 様 とても嬉しいご感想です。お読みいただいてありがとうございました。
0tOiLeT 様 「救い」があるかは分かりませんが、「気持ちよく」読んでいただいたとのことで嬉しく思います。 お読みいただいて、ありがとうございました。
0最後の一文が効いてますね。最後までどう転ぶか分からなく面白かったです。
0ビルドゥングロマン、教養小説みたいなことが思い浮かびました。戯画化していると側面が強いかもしれません。どんどん点が下がって現在の零点。最後の二連が救いの様な。「百点の人生」や >零点でもいいから >力強く生きて欲しいと などのフレーズがキーだと思いました。
0()書きで詩の意味合いを整えていく方法。初めはどうだろうと思いましたが、読み進めるうちに独特のユーモアも相まっているのだなと分かりとても楽しく読めました。みなさんが仰っていますが最終連が力強い。インディアンの酋長が遺した言葉とでも言いたくなるスピリチュアルな感度のある描写だと思います。
0静かな視界 様 普段このような詩は書かないもので、中々気恥ずかしいものもあります。 「自分に対して」かは分かりませんが、「こうあったらいいな」という期待を込めて書いた気もしますね。 コメントをありがとうございました。
0鹿又 夏実 様 「最後までどう転ぶか分からな」かった、というご感想をとても嬉しく思います。 コメントをありがとうございます。
0エイクピア 様 ドイツ教養小説は、私も昔よく読んでいました。日本だと『路傍の石』が有名ですが、上手く「戯画化」出来ていない、という点では似ているのかもしれませんね。どこか青臭さの残る、と申しましょうか。 コメントをありがとうございました。
0stereotype2085 様 本作は詩集の最後を飾る一遍でして。 ですので、最終連をそのように評していただくことができて、とても嬉しく思います。 コメントをありがとうございました。
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