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軽蔑
朝、黒いカーテン が 男の体毛に触れて、 揺れる。 細胞が 脈打つように 血液の膜は、 小躍りをする。 本当は 叫びたいのであろう 阿鼻叫喚の 苦境は、 沼の奥深くに 沈んでいく。 ぐったりと湿り気の帯びた言葉は のどごしも悪く、 「俺って猿みたいじゃない」 「気分が悪いわ」 『ぴちぃやぴちゃぴちゃ』 『くちはゆすがなきゃいや』 《もうそろそろ気分の悪い》 清潔な遊戯もまた 何処かで ……。 犬の唾液のようにねばり気のある 嫉妬は、 頭上を巡る蠅のよう 夜、びっちりと垢の詰まった 女の指の 間 シーツを掴んで離さない 指 丘のてっぺんに 執着する けもののようで、 うんざりする。 噴火する 火山を待っているのは 灰の降る街 情愛は、 君だけの冷めない マグマだろう。 ぐったりと湿ってばかりの唇は 干ばつした沼を目前に、 「ありがとうごめんなさい」 「気分が悪いわ」 『逆さまになろうよ』 『言葉にすることじゃないでしょうに』 《もう本当に気分の悪い》 ○○がしとやかである内に、 完璧な遊戯を覚えよう。 傲慢な声色を持った獣は、 今日も叫んだ。 ……。 ○○は侮蔑する。 幾千ものけたたましい 叫びは、 幾千もの眼球の見開く 軽蔑の前に、 なす術もなく、 死滅してほしい。
軽蔑 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1449.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 19
作成日時 2019-04-20
コメント日時 2019-04-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 19 | 19 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 1.5 | 1.5 |
技巧 | 2.5 | 2.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1.5 | 1.5 |
総合 | 9.5 | 9.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文