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小さなバレリーナ
雪に埋もれた花がいた 小さな小さな花だった 花は微塵も動かずに もはや枯れ花となっていた それでも彼女は息をして 「最期まで美しく生きていたいの」 雪を被った小さなバレリーナ 何が起ころうとポーズは変わらない 君の美しさは 僕が一番知っていた 彼女は涙を流しすぎたせいで 枯れてしまったことも その涙が雪で凍ってしまったことも 僕は全て知っていた 誰もいない夜空の下 小さなバレリーナは動かない 満月は雪のステージを照らして 星たちは花を眺めているだけ 雪が溶け始めた これでステージは終わった 太陽は雪を溶かし始める もう春が来たよ 楽になって良いんだよ そう言うと彼女はぐったり倒れこみ 残るは枯れた花弁だけだった
小さなバレリーナ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1354.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2019-04-01
コメント日時 2019-04-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.5 | 1.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 3.5 | 3.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
拝見しました。 率直に感じたことは、「上手い」です。枯れた花をバレリーナととらえ、最後のステージを飾るというとらえどころ、また構成も非常に切なく丁寧に纏められています。 花(バレリーナ)という読ませ方の是非は分かれるかもしれないですが、私としてはユーザー目線で良いと感じました。 >何が起ころうとポーズは変わらない >残るは枯れた花弁だけだった この辺りの、要所要所の引き付け方が素晴らしいです。さり気ない言葉で読者の心を掴むテクニックがとても良い。 ただそれだけに、1連目は非常に勿体ないと思いました。 >花は微塵も動かずに 花は、と連呼されすぎていると感じます。また、次の文は[枯れ花になった]なので「〜だから」という意味の言葉を加えるとスムーズになると思います。 >微塵も動かずにいたから >もはや枯れ花となっていた ここだけが少し引っかかりました。 しかし、優れた作品であることは間違いありません。
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