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今は他人のあなたへ。
それは、大人は自由だと思っていたころ それは、芸能人がキラキラして見えていたころ それは、『また明日』があったころ それは、『一生のお願い』が魔法の言葉だったころ 窓越しの夕焼け 野球部の声が響いてて 進まないテスト勉強と来週のあの人との初デートの作戦会議 先生と親との愚痴で2時間も脱線して。 ねぇ。 あの時言えなかった言葉はすんなり言えるようになったよ。 嫌いだったあれも食べれるようになったんだ。 でもあの時君とふざけて作ったキャラクターの名前が思い出せないの。 実はね、あの頃の私の理想にはなれなかった。 今の私の口癖なんて、お母さんそっくりなの。 私は言う、全く最近の若い子は。 私が言う、大人には分かるわけないもんね 私は言う、常識がないのね。 私が言う、個性的でいいでしょう? 私は言う、子供は気楽でいいね。 私が言う、早く大人になりたいな コーラさえあれば何時間でも話せたこと。 お酒なんてなくても本音を言えたこと。 小さな嘘に本気で怒ったこと。 私なら世界を変えられると心の隅っこで確信していたこと。 …は君に話したら笑われたんだっけ。 当たり前。日常。普通。平凡。 どこにでもある。そう思ってたのにね。 いつから好きな人の話は下ネタになったの いつから笑って誤魔化すようになったの またそのうちねって君に最後に言ったのはいつだったっけ もうきっとあの人は私の事忘れちゃったかな 明日も仕事だからもう寝なきゃ 幸せって周りに決められちゃうものだったっけ わたし、きっと君が好きだったの。 大好きだったの。 そういう意味じゃないよ、でもそういう意味以上に。 だから過去にしたくなかったな。 君のこと、「仲良かったあの子」なんて言われたくなかった。 君のこと、他の人に言われるまで思い出しもしなかったことなんて知りたくなかった。 なんでも1番最初に教えあってたのにね。 でも、確かに君と同じものを見て、同じものと戦って、同じことを感じてたの。 それが苦しくて嬉しくて愛おしくて憎たらしくて。 どこかにそんな人が居るのを思い出せて良かった。 あの頃が無くなったことにならなくて良かった。 私は明日も生きていく。 当たり前な日常を普通で平凡に。 嫌いだった大人達と同じ顔をして。 君もきっとそう。 そのどこかで私を思い出してくれたらいいな。 大人は思ったより自由じゃなかったけど 芸能人も所詮人間だって気づいちゃったけど 『また明日』も『一生のお願い』も使わなくなったけど
今は他人のあなたへ。 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1408.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 60
作成日時 2019-03-24
コメント日時 2019-03-29
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 12 | 12 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 15 | 15 |
エンタメ | 12 | 12 |
技巧 | 7 | 7 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 11 | 11 |
総合ポイント | 60 | 60 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.7 | 1 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 2.1 | 1 |
エンタメ | 1.7 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 0.1 | 0 |
構成 | 1.6 | 1 |
総合 | 8.6 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
酷評OKとのことだから書くけど、さして珍しい内容でもない独白がこの文量あると最後まで読む前にやめてしまうな
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