別枠表示
後輩
体育館の舞台裏で着替える君の 何度もやすられた木材みたいなツヤの肌が 滑らかで固そうな背中が 細すぎるほど細い腕が 肩の曲線が 脳に強制保存された中二の初夏 幽霊部員をやめようと決意した 君に尊敬されたかった 好かれたかった せめて変なやつとしてでもいいから 君と一緒にいたかった 卒業までルールも覚えられず レイアップも打てなかった だから話しかけようとしても 友達とずっといたし 下手くそに向けるのは礼儀正しい言葉 女の子の趣味は合わないし モンストとかわからないし だいたい幽霊部員で何と無くきて見たときに 君を知ったから 三年になる直前に なんとか長話できたけど あれだって 距離を広げたんだろう 君とは何を話せばよかったのか 初めから話すことなんてなかったんだろう オウンゴールを笑われた時だけ 心を見せてくれた気がした 無理ばかりしていた だから結局無理だった 送別会には 高校の説明会で出れなかったし 一度も部の役に立ったことなんてないし 妥当なオチだろうけど やっぱり寂しいし 最後くらいなんかイベント期待したかったし 後日渡された定型文まみれの色紙は 君の定型文が大切で ずっと未練がましく飾ってるし また会いたいし そんな高校一年生 君の名前で毎日ツイッター検索かけてた 同姓同名の別人ばかりで 残念がって でもホッとした 君が成長したのを 見たくなかった 二年生になって 日課のツイッター検索をかけて 君を見つけた 画像はほとんどなくて アイコンが君と君の友達のツーショット 鼻に犬の鼻みたいなのがついてて 少し嫌だったけど ちゃんと、あんまり成長していなかった 二日に一度は君を見た アイコンが風景に変わって 保存しといてよかったと思う 少ししつこいのかもしれない ツイートは少なくて そこも素朴っぽくて好きだった 笑笑は本当は使わないで欲しいけど イマドキはそうゆうものだろう なんて一つ違いのくせに思っちゃったり 何気に楽しい 普通に嬉しい でも夏頃からだんだんツイート頻度が増えて 夏明けの写真は 頭の悪そうな野郎と一緒で 君も少し馬鹿そうになってて 以前より成長して見えて 寂しい 質問箱なんか作って ドンドンイマドキになって たまにあげる自撮りも 加工が目に痛い 僕が幼いのか 安っぽい幻想だったのか あの頃の君は 土の匂いと若葉が似合った 今の君は 多分ピアスが似合う それが少し残念で 少し残念なだけの自分に もうそんなに好きじゃないのだと すごく残念で 寂しくて自習して寝た それでも明日には 多分君のことを思ってる
後輩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 865.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-02-08
コメント日時 2019-02-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
この詩はとても好きです。ほとばしってますね。もしかしたら長過ぎたのかもしれません。
0すみません、間違えて送ってしまいました。 この詩が異性ではなく同性に向けられてるのも良いと思いました。
0書きだしは凄くいい。読んでみようと思う。ただ読んでいくうちに少し恥ずかしくなってくる。それは技法とか手法、表現が未熟という意味ではなくて、君への想いが切々と書かれている中盤から後半にかけてが、本当にいい意味で「青く」て純粋に気恥ずかしいなという印象を読み手に与えたのだと思う。ツイッターにあがった写真。「頭の悪そうな野郎と一緒で」は完全に主観で、それがために「君」が少し馬鹿そうになってて、というのは「君」が少し可哀想かなと思いました。だがしかしそれもどんどん君に否定的になっていって、それでも最後「多分君のことを思ってる」につながるのならばいいかなと、というのが感想です。
0左部右人さん。 コメントありがとうございます。 なるほど確かに長かったかもしれませんが自分にとっては抜いてもいい言葉は一つもないつもりです。 この詩は中学生の頃に男バス部で実際に経験したことなんですが、その頃から自分はどっちかというと年下の同性が好きなんだなと思っていて、苦悩こそしなかったものの、けっこう叶わぬ恋をしました。これは一番長く引きずった恋で、今でもちょっと引きずってます。
0stereotype2085さん。 コメントありがとうございます。 書き出しを褒めていただき嬉しいです。 まあ実際失恋しても引きずり続ける思いってはたから見たらこっぱずかしいですよね。失恋って自分の恋が叶わないことじゃなくて相手に失望してしまうことだと思っていて、そういう意味でもこれは失恋の詩なんですが、未だに失恋しきれない、期待はしてないのについ思ってしまう自分がいてます。
0