始まりの湖 - B-REVIEW
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始まりの湖    

湖に雪が吸い込まれていく 僕も行こう 一緒に溶けよう 空より暖かい水底で 幻の首長竜が待っている 最後の一頭になった鹿を連れ 最後の一匹になったイトウの後を 降りしきる氷晶に導かれて 溶ける、溶けて空になる 水底に広がる砂の空 流れ込む先に銀盆の月 中心から緩やかに光が滲んで 静の海まで道ができる 産まれる前に通る深淵で 僕は一つのミームになる 一粒の砂になって空に放たれる 空で凍って雪になったら 始まりの湖に帰っていける


始まりの湖 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 1110.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2019-02-03
コメント日時 2019-02-08
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
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閲覧指数:1110.2
2025/04/11 17時38分21秒現在
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    作品に書かれた推薦文

始まりの湖 コメントセクション

コメント数(7)
環希 帆乃未
(2019-02-03)

原風景もしくは心象風景のようでした。好物です。

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ふじりゅう
(2019-02-03)

 拝見しました。  生死をテーマにした詩とお見受けしました。以下考察です。  僕の行動を順に追っていくと、 1.雪と「一緒に溶け」る 2.「最後の一頭になった鹿を連れ」る 3.「最後の一匹になったイトウの後を」行く 4.「溶けて」「空になる」 5.「産まれる前に通る深淵で/一つのミームになる」 6.一粒の砂になって空に放たれる」 7.「空で凍って雪になったら/始まりの湖に帰っていける」(ここは明らかに「行動」ではない) となります。 ※すべて過去形ではないので、予想や先の展開を想像しているだけかもしれない。  まず主人公は、溶けたい、という願望があり、作中で何度もそれが表現されています。「一緒に」から、僕≠雪であることが分かります。  「空より暖かい水底」から、水底のほうが空より暖かいこと(空の温度はかなり冷たい模様)、「水底に広がる砂の空」から、空=砂の空、ひいては湖の底の広がる砂のことであることが示されています。  3ですが、イトウの後を行ってはいますが、イトウに導かれているわけでなく氷晶に導かれています。つまり湖の底に、(恐らく、雪が固まってできた、水底に向かって落ちていく)氷晶に導かれ進んでいて、その先に偶然、最後の一匹となったイトウが泳いでいる、という状況だと考えられます。  銀盆の月は二つの情景を組み合わせたものと解釈しました。一つは銀盆→シルバートレイ(のように輝く満月)、もう一つは盆の月(秋の満月)、つまり季節は秋と考えられます。その光が滲みつつ、水底まで光の道を作っている描写を表しています。  本作は(入水)自殺の描写と考えることができます。4から、自身を溶かして空(=砂の空の一部=砂粒)になる点。5から、ミーム=砂粒とされていて、さらに自身をその原始的なものに溶かし変えてしまおうという、自分への破滅的欲求。6は輪廻転生の観点から、自身の魂は死んだあと新たな生き物の命となり、繰り返されてくという思想を表しているのではないでしょうか。鹿は、愛する人との心中と考えることができます。また、そもそも湖自体が、生と死を繋げる特殊な場所ではないでしょうか。  別解釈として、出産と考えることもできます。湖へ自身を「溶かす」ことを性行為と解釈すれば、湖は母親の子宮と考えることもできます。そうなれば、自身を「ミーム」=自分の子供への育児と解釈することも可能です。  美しい描写に隠された細かく練りこまれた内容、とても楽しく読むことのできる作品です。月のパートが特にお気に入りです。

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世界世紀
(2019-02-04)

環希 帆乃未さん 原風景か心象風景と捉えて頂いたのですね。僕の想像上の湖が舞台ですから、どちらも含まれてます。 コメントありがとうございます。 ふじりゅうさん 丁寧な考察ありがとうございます。 「空=砂の空」や、「ミーム=砂粒」など、おっしゃるとおりで、こう読んでくれるといいなと思いながら、つたわるか自信が持てなかったんですが、ふじりゅうさんにしっかり考察して頂けて本当に嬉しいです。一つだけ、確かに自殺の描写のようにも読めますね。一連目の幻の首長竜を案内役にしたファンタジーを書いたつもりだったのですが、もう一度推敲してみます。ありがとうございました。

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あさぬま
(2019-02-06)

空とあわせ鏡になっている湖の情景描写がとても美しいです ノアの箱船や輪廻転生などの宗教的モチーフや 永劫回帰、ミーム(はそのままですが)といった思想的なモチーフが美しい表現の中に見え隠れして、具象と抽象を行き来する詩の力がとてもよく発揮されていると思います

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世界世紀
(2019-02-07)

あさぬまさん ノアの箱船は、最後の一頭と一匹のくだりで、輪廻転生は主人公が雪になって帰っていくところでしょうか。 永劫回帰はwikiで調べてみました。ニーチェなんですね。これはちょっとわかりませんでした。 ミームは書くときに調べたんですが、おっしゃるとおりそのままです。最初にインターネットミームを連想してもらえたらいいなと考えてました。意味的に軽く捉えてほしかったからです。文化や伝統になるほどの強い意伝子じゃなくて、模倣子の一つぶ程度の感じでつかいました。 ぜんぜん勉強が足りなくて、言葉の使い方を指摘されるとタジタジです。 おかしな使い方をしているところがあれば是非とも教えていただけないでしょうか。お願いいたします。 全体的な印象としては其ほど悪くないということですね。とても嬉しいです。ありがとうございます! あさぬまさんのコメントのとおりの出来だとは思っていませんが、これから推敲や勉強して近いものを書けるように頑張りたいと思っております。 コメントありがとうございました。

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あさぬま
(2019-02-07)

ノアの箱舟と輪廻転生はそうですね 永劫回帰は物質が有限で時間は無限であるという過程をすると宇宙の素粒子の配置が無限の時間の中で全く同じになることがあるという思想ですね つまり現在は一回きりではなく過去にも未来にも繰り返し存在するものだとする思想です 世界世紀さんの詩が円環的な時間の輪を想像させたのでそう感じました ミームはしっかり伝わりました 砂の一粒になって/空に放たれる のところで死んでも自分の体を構成していた物質はまた土に戻って行くような安心感があります 僕もまだまだ勉強が足りないのであまり偉そうなことは言えないですが、詩というのは学問と違って厳密性よりも美しさがあれば良いと思うので、あまり間違ってるとか不正確だとかお気になさらず 世界世紀さんの詩は一読目にとても美しい情景描写がすっと入ってきて静かに感動したのでその後の解釈はおまけみたいなものです まだ一作品しか投稿なさってないようなので次の作品も心待ちにしています

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世界世紀
(2019-02-08)

あさぬまさん 最初のコメントを読んで嬉しかったんですが、この作品にそんなに色々な意味を含めてなかったので、ちょっと疑ってしまいました。すみません。 再コメントありがとうございます。 とても嬉しいです。プレッシャー半端ないですがまた投稿したいと思います。

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