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昇華
着飾ることを覚えた人間は、窓にカーテンを掛けることも覚えてしまった。 境界線をガウスでぼかした曖昧な距離感と、掌に浮かぶ汗模様の温度が 二人の上昇する心拍数を混ぜ合わせる。 銀紙に包まれたチョコレートがじんわりと溶けるように時は融解し カーテンを閉める音が反響する。 そして二人のシルエットが夜に消えていった。
昇華 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1203.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-01-08
コメント日時 2019-01-14
項目 | 全期間(2024/11/24現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
幻想的な詩だとおもいました
0オオサカダニケさま 読んで頂いてありがとうございます。「幻想的」とのこと、ありがとうございます。精進します。
0着飾ること、カーテンを閉める、裸の自分ではなく虚飾することや、集団より個を大事にするようになった現代人の生活が描かれているのかな、と拙いながら読んでいました。 銀紙に包まれた、の詩句に融けあうような二人の関係が描かれていて美しい比喩だと思いました。
0帆場蔵人さま 読んでいただきありがとうございます。最初の一行は羞恥心を暗喩しています。 「美しい比喩」のお言葉ありがとうございます。とても嬉しいです。時間が過ぎていく様を何に比喩しようか苦悩した甲斐があります。
0そして二人のシルエットが夜に消えていった。に何を感じるかですね。私は死を感じました。
0つきみさま 読んでいただいてありがとうございます。 「二人のシルエットが夜に消えていった」に死を感じたのこと、たしかにそのようにも読めますね。 この前に「時は融解」という文があるので、どの程度の時間が融解したのかによって「二人のシルエットが夜に消えていった」の感じ方が変わるのでしょう。ありがとうございました。 沙一さま 読んでいただいてありがとうございます。 実はこの詩はエロティックな衝動を詩に昇華(だからタイトルが「昇華」なのです)したものなので、沙一さまが連想された内容は(書いた側から見れば)正しいです。 最初の一文の「窓にカーテンを〜」の部分、当初は「心の窓にカーテンを〜」にしようか非常に迷いました。 魅惑的と仰って下さりありがとうございます。とても嬉しいです。
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