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スタイル
たくさんの ゆめや死が 散らばったこの墓場 たくさんのもの 買ってきた レザーのコート 柔らかい紫のカーディガン オーガンジーのスカーフ フェンディのマフラー 黒いレースのランジェリー どれも淡い思い出として行き過ぎていく あたしの財布からは 幾人もの死人が出て かわいいものと交換されていった 部屋のクロゼットが 壊れてしまうまで そんなに集めても あたしは まだ着たい服を一着たりと持てていないのだ 買えば 買うほどに 軽蔑の眼差しを送られているのは 気のせいなのか それはあたしが 送信者の 鏡合わせなのか あたしは いっぱいに働いて すり減って 買い物で 埋めようとする 孤独は偽りの姿を得ることなのか? ショップ店員の無感情な ことば ブランド物を着ても 遠くの実家の仏間の匂いが 染みついているあたしの 生き様 誰もがひとりで 服を着ている ふたりで着られる服なんて 永遠の乳房なんてものは ないから 生きるって殺されていく こと みたいに感じられるから せめてかわいい服を着たいだけだった ママのまえで キスする みたいな 服を買うときの きもち 一生忘れてしまいたくなる ほんの少しね
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作品データ
P V 数 : 1037.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-10-27
コメント日時 2018-10-27
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
3,4行で終わる詩しか書いたことのない私にとっては読みごたえのある本格的なさ作品でした。この詩は実は弱さではなく強さを表現なさった詩ではないのでしょうか?それは私が憧れているものなので感銘をうけました。
0働き続けることですり減っていく、自分を補うこと。働くことで本当に欲しいものが得られないのなら、目的がかなわないのならすり減る一方ですね。かわいい物を買う瞬間だけが生き生きと行動している。ちょっとした背徳感も含めて、形は違うけれど自分も時折、そんな気分になることがありました。 後半の ショップ店員の無感情な ことば からの三連が好きです。実家の仏間の匂い、とかより深く人生が垣間見えた気がします。 そもそも明確な目的や目標を持って働いてる人がどれぐらいいるんだろう? そんなでも意味を見出して生きていくんだろうなぁ、などとつらつらと読ませていただきました。読めて良かった、ありがとうございました。
0オオサカダニケさま まずは好意的なお言葉をありがとうございます。よわいひとが強くなれる装置としての洋服というのが小さなテーマでしたので、強さ 弱さ というワードを書いてくださって嬉しいです。そのようにも見えるのだなぁと少し驚かされましたが。コメントありがとうございました。
0帆場蔵人さま コメントに書いてくださったことがおおよそわたしの表現したかったことなので、伝わって嬉しいです。 人生にいかにして意味を生み出していくかとは難しい問題ですね。わたしは自分の人生に価値はないが、意味はあると思っているので、そこの問題はクリアしているのですが、価値=(作品で言えば)かわいい服を身につける 以外の何かがないとたぶん精神衛生上よくないですよね。 仏間の匂い等 細かいところまで拾ってくださって嬉しかったです。コメントありがとうございました。
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