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水母
皆で水母になろう 死ぬときは 一緒に海へ溶けよう 海の堆積は増して かつて暮らした地上は沈み それはそれは凪いで美しいだろう 青い星はより青さを濃くする そこから新しい命も生まれるだろう 誰も見たことがないが 誰もが目撃する 全ては液化し海へと成ったのだから 個体の私が見ていた 運河に浮かぶ水母の夢想
水母 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 971.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-10-05
コメント日時 2018-11-01
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
水母を「水上機母艦」の略だと思って読み始めたので、最初の連はえらく儚いなぁと感心してしまった。みなで軍艦になって死ぬときには溶けるんだぜ。 ちゃんと海月のことだと気づきて読み直した。 海月は死ぬと沈んで、いつのまにか水に溶けて無くなってしまう、ってはタモリ倶楽部で学んでいた。その行程は小さいものだが、それを詩ならではのスケールの大きさで描いているなと感じた。
0拝見しました。 これは、短いながらも凄くいいと思います。生と死、その情をゆったりとした詩世界に極めて自然に溶け込ませた、非常に技術の高い詩のように思います。 内容に入りましょう。クラゲは一般的には海月、と書くのではないでしょうか。そこをあえて「水母」とした、そこにこの詩のベースがあると感じます。最初、皆で水母になり、死ぬ時は「一緒に海へ溶けよう」と、(恐らく主人公の)語りからこの詩が始まります。二連目、かつて暮らした地上が沈む。美しくなる。青さを濃くする。これは今の人間が地球にとって害であるという風刺なのかもしれない、と考えました。最後はそれが夢想だという内容で終わります。人間が死ぬことによって新たな命が始まる、「そこから新しい命も生まれるだろう」からも風刺を感じますが、しかし幻想的で美しい詩の流れには圧倒されるばかりでありました。
0どちらも的はずれかもしれないですが、エヴァの人類補完計画とユングの普遍的無意識を思い出しました。でも、その二つと違うところは、一緒にとけるのは死ぬときで、そこからまた何かが生まれてくる希望をちらつかせてる所ですね。死にたくなったり生きたくなったり、生きていれば色んなことを感じるものですが、「一緒に」という言葉から始まるこの詩の美しさに、とても穏やかな気持ちにさせられました。
0短いながら素晴らしく壮大なイメージですね。 一緒に海に溶けよう、死んで海に還る。最初、海母がクラゲと解らなくて母なる海に還るのかな?羊水に浮かぶ何かだろうか。体内回帰など、と考えていました。2連目、3連目は幻想的で酔いしれ、最後にすべてが夢想だと描かれたときこの詩が現実とならない哀しみを感じました。ぼくは全てがひとつに還っていきたいのだろうか?そんな感慨でした。 楽しませていただきました。
0水母の夢想。いいですね。短い中にも生命の儚さ、死ぬ時くらいは喜びも痛みも分かちあって逝きましょうとのある種の哲学が染み渡っていて、胸に響きました。「誰も見たことがないが/誰もが目撃する/全ては液化し海へと成ったのだから」も印象深く、インパクトがあって良いです。この第三連で言わんとしていること自体は、誰もが思いつくことかもしれませんが、独創的な描写で読み手を惹きこむに充分だと思います。
0こんばんは。《水母の夢想》を水母ではない〈私〉が見ていた、と読んだのですが、そうすると、それはそれで種を超えたシンパシーを感じさせてくれます。ただ、ここは〈私〉に帰着させなくても面白いんじゃないかなとちょっと思いました。
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