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夜長月
一年の終わりの 角が見えてきた 遠くても はっきりと あたたかな水が 引いてかわいて 消えていく 心地良い さみしさが ぽつり ぽつりと 落ちてきて 風が吹くと 夏の日に 降り続いた 熱が なかったように 消えていく 金木犀の香りは いつか見た夢の続きを 引っぱりだして 読み上げる 切なさは 幻の上を大げさに 舞い上がる さよなら、が 千切れて落ちて 心の裏で時が 反転して 戻っては 消えていく 湿った音楽が 膜を張って 鼓動をとり込む かなしみは 涙を追いかけて 共に落ちていく 眠れない長さを はかって 定まらない長さに 渇きを感じて 生ぬるい水を飲んだ
夜長月 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 950.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-30
コメント日時 2018-10-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
拝見しました。 「1年の終わりの/角が見えてきた」に面白さを感じます。10月というと確かに1年の終わりが見え始める頃ですが、「角」との表現はなるほどと感じた所であります。 前半から中盤にかけては季節の変わり目について様々な表現をされてますが、「金木犀の香りは」辺りから主人公の状況が浮かんできます。「いつかみた夢」を思い出させる金木犀。「切なさ」。「さよなら」「心の裏で時が反転して」「眠れない長さ」。こういった情報からは、過去の別れの出来事を金木犀が蘇らせるんだ、という情景が浮かびます。切なくも美しい詩作りだと思いました。
0ふじりゅうさん コメントくださり、ありがとうございます!細部までお読みくださり、汲みとってくださって、とてもうれしく思いました。
0こぞ今年貫く棒の如きもの・・・高浜虚子の名句ですが、時間や、その間に去来する様々な思いといった、自らの中を流れていく感覚、その感覚と外を流れていく感覚との齟齬、が、表現の出発点にある、として・・・それを、体感的、具体的な感覚のうちに、なんとか当てはまる(ギリギリ、近い)表現を探しだす、探求する。そこに、言葉を探し続ける面白さがある、と思っていて・・・この詩は、その体感的な探求を、冒頭から行っている、というところが魅力的だと思いました。
0まりもさん ご無沙汰しております。コメントくださり、ありがとうございます!<体感的、具体的な感覚のうちに、なんとか当てはまる(ギリギリ、近い)表現を探しだす、探求する、言葉を見つけて当てはめていく面白さと言葉が見つからず、立ち止まった時の不安な気持ちがあって。楽しみながらくるしむ、感じで描いています。
0反転して戻っては消えていく、だったり、定まらない長さ、ぬるい水ということば選びから、半端な不安を感じました。不安の程度が半端なのではなく、寄辺のない漠然と感じられる不安を。金木犀から過去のことをテーマにしていると分かりますが、懐かしい人へむけた後悔、挫折の経験、色々な対象が連想できました。詩を読んでそういった種類の不安感に寄り添われているように感じられ、私にとって身に馴染む詩でした。
0ヤエさん はじめまして!コメントくださり、ありがとうございます。半端な不安ばかり感じている毎日で。季節の変わり目は特に。身に馴染む詩、と評して頂き、とてもうれしく思いました。
0素敵な詩だなと思いました ただ、少し改行が多いかなとも思いました
0no.20さん はじめまして!コメントくださり、ありがとうございます。素敵な詩、と評してくださり、とてもうれしく思いました。改行が多いとのご指摘、 今後の創作の参考にさせて頂きます。
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