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Borderline Marmalade
薬莢みたいに空っぽな1999年、夕暮れのような朝に僕らは有刺鉄線を一心不乱に掴んでいた。 冷たい手、冷たいコード、冷めきった未来を赤い血が否定してくれるから、 醒めきった今を僕らは嘘だと否定できるから! 首のない人形に充たされたクレーンゲーム ゲームセンターの端でワンコインの首吊り それすら叶わず7階建てのデパートが瓦解する刹那に 僕の網膜を包んだ橙色だけが唯美しくて、 僕はマルボロメンソールの吸殻に哀悼の意を込めたけれど 匿名のランドクルーザーとオートメーションのコルベットは容赦なく若き日々を蹴散らしてゆく。 境界線上で空虚と無垢なまま漂い、君は洗濯機に漂白剤をいれ忘れたと永遠に嘆くからさ 君は雨にうたれたまま琥珀色の彼方の夕景を愛撫していた もう円転しない針時計もう清浄さを忘れてしまったコインランドリーに 1989以降の銀貨を注ぎ込むことも忘れてしまって…… 100年の孤独、カールス瓶麦酒の涙、チェスター猟銃の一次試験 リトマス紙は未だ変わらず、二次試験に合格したのは空っぽになった剥製の僕らだったことは映画館の床上に墜落したポップコーンしか知らない。 マーマレードの夕暮れに浸されたパンが、フレンチトーストになれないってことにいつの間にか気づいていたのに。
Borderline Marmalade ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1202.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-30
コメント日時 2018-10-15
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
抽象的で、この詩そのものへの感想ではないのかもしれず申し訳ないのですが……あーっ、こういう詩書きたいなぁ! と、強く思いました。 実際書くのはちょっと、というか相当無理そうなのですが、無理なこと含めて憧れます。あと、嫉妬もします。ぐぬぅ、です。
0初レビューです。 徹底されてますね。素直に好きです。 何か強いメッセージを込めていたのなら申し訳ないのですが、論理的に読み解くものではないタイプの詩だと判断しました。そういう視点でレビューを書いていきます。 言葉の使い方は、シュルレアリスムを意識したようなMVをyoutubeにあげているアーティストが書くような歌詞という感じで、私はそのような青年期の心を揺さぶろうとするようなものにマンネリを覚えていました。が、「ような」と言ったのは、この詩はそれらとは違って、「ひねくれ」が徹底していると感じたからです。その徹底ぶりが、読み手をその詩がどこか高次の存在のように思わせ、半端ものとは違う安定した雰囲気を醸し出しているのだと思います。この徹底ぶりは真似たい、と素直に思いました… この詩の中では、「夕景を愛撫して」という表現が特に好きです。今まで見たことのない、思いついたことのない取り合わせでした。幻想的なのはもちろんですが、映像としてくっきりと思い浮かべられるものではないのに、空気の質感や景色にある輪郭のようなものが感じ取れる気がして、まさに「あはれなり」という感じです。 また、この詩は一文一文時間をかけて書いたというより、すらすらと会話をするかのように書いた詩のように思えました。もし本当にそうだとしたら羨ましいです… 長文失礼しました。
0田無いなる様 コメントありがとうございます。 私もこの作品に於いては普段以上に感覚的・思うままに書いているので、これと同じ作品は書けないなぁと思います。
0一高校生様 コメントありがとうございます。 ご指摘の通り、確かにこの作品にはメッセージ性というものは無いです。隠れた意味や現実に視た・体験した事象は潜んでいるけれど、そういった面は置いておいて感覚的に読んで頂ければいいかなと。 私が表現するものは綺麗であろうがダーティであろうが大体がひねくれているので、そこを感じ取って頂けて嬉しいです。あと、基本的に書くときに私は時間をかけないので、一高校生様の想像の通り、この作品もすらすらと書きました。
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