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虹
どこまで走っても 虹のふもとに辿り着かないように 死ぬことなんて いつも遠く忘れられている 今こうして不自由になった体で なぜ軽々とここに立っているのか 何も分からぬまま 誰も知らないまま 少しだけ賢い人間の書いた それらしい言葉を読み漁りながら さらに歩を緩めて ゆっくりと 歩いて来た蛙と またこうして 星の上の一粒に 帰結する。 どこまで走っても 虹のふもとに辿り着かないように 死ぬことなんて いつも遠く忘れられている 見えている側から 消えていく 虹のありかを
虹 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1176.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-26
コメント日時 2018-10-15
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
一読して印象的だったのは、《ゆっくりと 歩いて来た蛙と》。 この《蛙》ってなんだろう、僕は思いました。 考えながら文字を眺めていたら、漢字の「蛙」と「虹」は見た目が案外、似てることに気が付きました。 そこから、「虹」の漢字の成り立ちを調べたところ、虹って「天空をつらぬく、へび(蛇)」なんだそう。 蛇と蛙。そんなことを頭の片隅に置いて、この詩を読み直したら、僕にはより面白く感じられるようになりました。 意図されたものかどうかわからないので、全く見当違いでしたら申し訳ない、と思いつつ。
0生と死は対極にあるのではなく、繋がっている。そんなことを考えました。届かない虹と対照的な地べたを這う蛙。風景のコントラストも素敵だなと思います。
0田無いなるさんへ お読み下さりありがとうございました。 >虹って「天空をつらぬく、へび(蛇)」なんだそう。 そうなんですね。それは知らなかったです。 蛇は聖俗いろんな風に例えられる不思議な生き物ですね。 確かに蛙とは質感が似ております。 そういう状況で(どういう状況なのかはうまく説明出来ませんが)足元にどんな動物が居て欲しいかと思った時、ちょっと無骨なイメージのある蛙、「土に帰る」で付き過ぎかなとも思ったのですが、小さな生き物がいいと思ったので何となく蛙にしてみました。 先日亡くなられた俳優の樹木希林さんを悼んで書いた詩です。 希林さんは母にとても似ているので、母の死の予行練習のような気がして何とも悲しかったです。 でもそんな風に読んでいただけて、書いた甲斐がありました。
0笹塚心琴さんへ 至極簡潔な感想をありがとうございました。 私は生まれ変わりとかは信じていないのですが、どこかで「死」は「生」の一部として受け入れていくのがベストだというようなことを聞いて、ああそんな風に考えていきたいと日々思っております。 でもやっぱり死ぬのは怖いなと思います。 なかなか悟りの境地ということにはならないですね。
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