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陰
太陽の下では カビ臭いニオイのする あなたを嫌うことで 基本的に 私は 傍に居られない 時々日常から落っこちて 手の隙間から 震えて見ている くせに 私はもっと遠くにいると 言い聞かせ 近くのあなたを 抱きしめられない 『それでも君は、 ここにいるんだね』 心が少し 地面から浮かんで 髪飾りが落下した 夕暮れの匂い あなたの美しい灰 枯れ木の連なりから あ、と言った後の、 街 キオクがつくづく薄まって 反射した微かな風が舞う 顔を上げても よく見えなくて 目を細める もう二度と 笑い合うことのないあなたへ 差し出すように 今更 目を細める 散り散りに去っていく 誰かの行く先に わたしは 羨んだ からっぽのぬくもりで 白々しく 生き延びている 陰が ある
陰 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1103.5
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-08
コメント日時 2018-10-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「 太陽の下では カビ臭いニオイのする 」 ここは上手いなぁと思ったが、逆にここ以外は印象に残りにくい。というのはルミナスライン(光る行)が無いんだよね。太陽以降平坦に続いていく。詩中での展開ってのが欲しい。
0僕も「太陽の下では カビ臭いニオイのする」の出だしは冒頭としては最高の部類に入ると思いました。ですがその後低速になった感が。ただ改行の使い方が上手く、「あなたとの距離感」の微妙さ、もどかしさが良く出ていますね。
0ご意見くださり誠にありがとうございます。詩の低速感、展開の無さ、勉強になります。次に繋げていこうと思います。
0生きていると自分の中に影を感じてしまうことがある。この詩は過去に起因する、影を書いているのだと思いました。なので、最後の白々しく生き延びている影があるというところに共感しました。 そして、最初の一文も好きです。きっと、五感に訴えるところがあるとクリアに感じることができるのかなと思いました。
0〈あなたの美しい灰〉〈もう二度と/笑い合うことのないあなたへ〉〈からっぽのぬくもりで/白々しく/生き延びている/陰が/ある〉・・・このフレーズを巡って、ぐるぐると考えています。遺灰、想い人亡きあとの空虚、その喪失にも関わらず、生き延びている(生きのびてしまっている)〈私〉・・・ にしては、切実さや重さが伝わってこない。他に灰、から連想するものというと、煙草の灰。 〈時々日常から落っこちて/手の隙間から/震えて見ている/くせに〉〈近くのあなたを/抱きしめられない〉 うーん・・・どちらも、誤読、のような気がする・・・前半の軽さと、白々しく生き延びる、という重さが、どこで繋がるんだろう、とか・・・。〈心が少し/地面から浮かんで〉このあたりは、うきうきした「感じ」を受けるのだけれど。感覚を、ちょっとおしゃれな言い回し、少し変わった言葉づかいで表現してみよう、とする意識が伝わって来るのだけれど、その背景にあるもの、この詩を書きたい、と思った、その動機が、もっと前面に出て来てほしいと思いました。
0ヤエ様 ご意見くださり誠にありがとうございます。過去に起因する影、まさしくその通りだと思います。ここまで続いてきてしまっている影(陰)を時々妙に生々しく感じる瞬間があって、そういうことを書けないかな、、と思いました。五感に訴える表現、もっと身につけていきたいです。 まりも様 ご意見くださり誠にありがとうございます。灰から連想するもの、として、確かに遺灰や空虚を暗示してはいますが、命が無くなった悲しみに主軸を置きたくなかったというか…悲しみも含めた上で、いなくなってから美しく感じてしまうこと、そんな愚かな陰を、書きたかったですね。それにしては確かにちょっと軽すぎたかもしれません。この詩を書きたいと思った動機を前面に出すこと、今回ちょっと弱かったかもしれないので、なるほどと思いました。 仲程様 ご意見くださり誠にありがとうございます。素敵な詩ですね。どれだろうと思って探してみたのですが、ちょっと見つかりませんでした…。陰を持つ人間は、優しかったのかどうか、、その辺をじんわり妄想して頂けること、嬉しいです。ニオイの出だし、思いの外高評価で実はちょっと驚いています、、。
0本作の魅力は古典的な詩の原則があるからではなかろうか。ネット詩では、それを使い古された手法として切り捨てられネット詩の奔流は限りなく小説に近いもの、音楽に近いもの、漫画に近いもの、エッセイに近いものになっていて、逆に古典的な詩の手法が最新型になっている。時代は循環するもので最新型などそもそもあるはずがなく、ほとんどの詩にはオリジナルがあって1が1を生んでいるに過ぎない。0が1になる瞬間に出くわすことは100年に一度ぐらい。 古典的な手法とは何か、外を書くこと。自己の外側を、見ている触れている在るものを書くことによって自己を暗喩として出すこと。じつは私は現在それにトライしていて、本作はその目指しているところの手法が成功していて羨ましい。
0三浦END果実様 ご意見くださり誠にありがとうございます。古典的な詩の原則に当てはまること、お恥ずかしながら言われるまで気が付きませんでした。外側の世界と自分との奇妙なズレや繋がりを書きたい、と思ったことが詩を書きたいという根源的なところになっているので、外を書くことは確かに意識していました。多くの手法があることを最近少しずつわかってきたので、私もいろいろトライしていきたいです。
0こんばんは。 《枯れ木の連なりから/あ、と言った後の、 /街》 《反射した微かな風が舞う》 とてもよいと思います。
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