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K
8手目でクリーンを取られた瞬間に俺は2つのルークを中央に寄せて合体させたのち、ビショップをその中央から発射して相手のキングに狙いを定めて勢いよく発射したはいいものの如何せんビショップである。斜めにしか進めないから敵のおでこにぶつかってそのまま落下。午前4:56未明、享年23歳にして殉死した。葬列はポーン16体。先頭にはキングがハイエナみたいにビーフジャーキーをハムハムしながらいかにも悲しそうに涙を流しているもんだから、囚われの身のクイーンが往復ビンタでビーフジャーキーを即座に奪うとそのままMacbookPro(第7世代の2.3GHzデュアルコアIntel Core i7プロセッサ、RAM16GB)をもって逃走。その後、関数のカリー化について悩んだクイーンは急にカレーが食いたくなったので引き連れたナイト3体に命じてカプリチョーザを作らせた。それがもっとも金持ちどもを喜ばせることができる真の芸術であるとの算段があったのだ。勝算はほぼ9割だったにもかかわらずまさかの null 値判定をさぼっての if(!pawn) なんて書き方をしてしまったもんだから、一文無しのポーンが片っ端から決済を完了できず、エコール・デ・ボザールの天井裏で「Big mouse strikes again」との大量の落書きが見つかり始めたのが去年のちょうど11月の半ば頃。「mouse」と「mouth」のどちらが正しいのかという些細な論争がネット上でしばらくの間激しくやりとりされたのち「モリッシーはもっとマイクをきちんと持った方が良いのではないか」というところで双方の陣営が納得。示談となった。が、肝心のモリッシーは脊髄を抜かれてしまっているらしく、どうしてもマイクがきちんと持てないのでレコーディングは中止。彼も間違いなく関数のカリー化の立派な犠牲者であったのであるが、どちらかというと彼は古いタイプのエンジニアである。「mouse」が正しい答えだと公言してしまったのが原因で夢の国から名誉毀損と著作権侵害の訴えをかけられ、今世紀最大の訴訟事件に発展。結局バンド名を「the Smiths」ではなく「a Smith」とすることで賠償金減額、月額980円で事なきを得たが、ジョニー・マーの後継者オッペンハイマーはSpotifyにキング・クリムゾンが入っていない事に激怒して今度はAppleとGoogleを相手に訴訟を開始。ファミル推計に失敗した彼は「21世紀の精神分裂症患者」と診断され、喉ちんこがぶら下がっているあの真下の食道直下へ幽閉となる。これが後のトンキン湾事件である。と、ここまで書いた作者、「ファルミ」ではなく「フェルミ」ではないか、というクソリプの嵐をうけてアカウントの閉鎖を決断。まずは好きなアイドル名でGoogle画像検索をしたのち、一番一般人っぽい写真を選んでからそれをプロフィール写真に設定したのちにまずはアカウントに鍵をかけて、二次元アカウントを片っ端からブロック。それがオタク差別だということで今度はバッシングが殺到。心が折れかけたので「綾波レイ」フォルダを開いてしばらく事なきを得た。が、それもつかの間。あの大きなバグの原因がまさかゼロ除算だった、というのだ。隣地の悪ガキの中学生どもにゼロ除算の責任をなすりつけようと決心した苦沙味先生はとても懐には入りきれないだろうほどの長い手紙に自分の苦悩を淡々と書き連ねて、自分の弟子の一人であるKにそれを託した。この手紙をもとに「日本の美のこころ」を著したKは翌年フィールズ賞をぎりぎりの39歳で受賞。なお、お嬢さんの正体は「葉子」であることが判明した。のちにノーベルは自分こそがKであると告白。正気と狂気の量子的重ね合わせの状態にあったことが当時の手記から判明している。ちなみにKは健二郎の頭文字であることも複数の証言から判明しており、イニシャルDから着想を得たと昔の千円札をよく見るとそんなことが書いてあったそうだ。もはやチェックメイトである。
K ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1101.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-07-27
コメント日時 2018-07-28
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
拝見しました。 カリー化について悩んでたら、カレー食べたくなるんかい!何してんだクイーン! 今世紀最大の訴訟事件が月額980円かよ 笑 ゼロ除算を近所のガキに擦り付けようとするなよ! と、突っ込まざるをえない箇所が幾つもありながらも、 これがまたじっくり読んでみると、詩としての深みが味わえるんですよね。 特にmouthあたりのくだりは、何とも不思議な世界観を味わえます。と申しますか、この作品の余りにも独特な世界観に酔えます。 何とも不思議な、素晴らしい作品です。
0ふじりゅうさん これは反応いただけてとても嬉しいです!全スルー覚悟で投稿したので、、汗。自分でも一体何を書いているんだ、って感じだったので、いやあ本当にじゃんじゃん突っ込んでくれて嬉しいです。とても疲れていたので自分でなんか笑える文章書きたいな、って思って自分で書いて自分で笑ってました(気持ち悪くてすみません)。「素晴らしい作品」とは勿体無いお言葉ですが、何かしら楽しんでいただけたのなら、投稿して本当によかったな、と思います。コメントありがとうございました!
0スラップスティックな実験詩として、復、何より表現が明朗であることがとても好ましい御作である、と。 社会事象をグルグル腕に捲いて、急行電車をゼイゼイと追い抜いて行く様な。 それでいてコンセプトも揺るがないのですから、相当、熟達をしていらっしゃるんだろうな、と。 何を怪訝な顔をしていらっしゃる。 気の利いた面白いことは、なにひとつ申しませんよ。文化人や芸能人じゃ在るまいし。 ああ、でも筒井康隆的ではございますね。
0鷹枕可 さん コメントありがとうございます!「スラップスティックな実験詩」とのお言葉とても嬉しいです。おそらくこうした表現手法には多くの先人がいるものと思われますが、今回は単純に私の個人的快楽のために書いた側面が強く、「コンセプトも揺るがない」とのお言葉、大変もったいない限りではございますが、「社会事象をグルグル腕に捲いて、急行電車をゼイゼイと追い抜いて行く様な」という形容には、おお、確かにそうかもしれない、と妙に納得させられるものがありました。 筒井康隆さんは恥ずかしながら、実は作品を直接お読みしたことはなくアニメ化されている「時をかける少女」と「パプリカ」を映画でみたくらいですが、「パプリカ」などは大好きで本当に何回も見ています。「パプリカ」はどちらかというと今敏が好き、といった感じなのですが、あのカオス感、いつ見てもワクワクさせられるものがあり、今回書く時もあの世界観は頭のどこかにあったのはおそらく確実です。
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