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one day in summer
『少女』 美しいだけの少女を見に行く 目から水晶が生えてもはや醜い イバラとトゲのちがいを忘れた 美も記憶も紙一重で零れるのだ 『列車』 ふざけた色の列車が通り過ぎる 「アイシテル」と叫びながら 「シンジマエ」と叫びながら わたしは蜃気楼の蜜になりたくない 『天国』 斬新なやさしさで天国は雨 輪郭がぐちゃぐちゃになるほどの 鍵穴に義母をねじこむ 天国なんて信じたこともないのに 『少年』 キッチンシンクに住み着いた少年 ほんのり甘くルルルと唄う あきらめた夢の線分だから 額に切手を貼って川に流そうか迷う 『カケラ』 こおりついた天使のカケラ降るなら 手にした言葉すべて失ってもいい パセリでこゝろは隠せない わたしは青い揺り籠でまどろむ 『夏夢』 極彩色の虚無のなか座する武士 首を刎ねられ垂直に血を噴き上げる 返り血あみたキミは麗しい この無垢な感情だけを夏と呼ぼう
one day in summer ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 961.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-07-04
コメント日時 2018-07-14
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
イバラ=茨、トゲ=棘の間違いでした。訂正させてください。すいませんm(__)m
0小気味良い転換と凝集度。暴発しそうな感情を持て余している少年期の危うさ(歌詞でよくガラスにたとえられますよね)、対象を絞りきれない、漠然とした反抗心のようなものを、蜃気楼の蜜にはなりたくない、とか、天国なんて信じたこともない、という独白的な視点で、徹底的に主観的にとらえているところが良かったです。(主観的といっても、書いている主体は作品の外にいて、そこから主人公の少年の心を代弁しているようにみえる、その距離の取り方も。) 暴力性や意思の強さを前面に出すものの間に「少年」「カケラ」という甘さをもったパートを持ってくる構成も良く練られていると思いました。
0まりもさま 読んでくださりありがとうございます。 これはスマホの1行16字以内の4行詩6連で、どれだけの表現ができるかという実験的な作品です。 これだけ言葉がすくないと、かえって作者の嗜好が濃く出てくるようで、わたしの場合は無垢(イノセンス、天使性)のようです(なのでまりもさまが指摘された、ガラスの~と形容される少年期のあやうさ、というのは的を射ています) カポーティ、サリンジャー大好きですからね。 トリッキーな言葉づかいでも誤魔化しきれませんでした。 普通は夏がイノセンスを連想させるのですが、イノセンスが夏なのだ、という逆の発想で最後を締めくくっていますが、どれほどの効果があるのか自信はないですね。 コメント本当に感謝です。
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