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バイバイコレクションB-SIDE
【落日】 恵みを齎す空は自惚れていて 見上げる私を愚かだと見下ろす様だった 空気の振動が側頭部に付着し 内側のスクリーンに揺れる文字が映し出された 知っているか 四季事に昇る太陽の顔は違う そして昇らぬ季節に別の太陽がいるのを知らぬ それ以外はただ夜が続くばかりと思っている 星屑に痛め付けられた月は それを黙認してるけれど もう昔の事になりそうで 今にも言っちゃいそう そうなると互いに集まって 此処は光に溶かされてく 地上がどうとか関係ないのだ 下らないわと私は呟き 夏だけ昇る太陽とやらを見つめた 陽射しは鋭角で眼に刺さり 私は手を離してしまったばかりに直視の出来ぬ あの日の事が 陽炎の踊りの様に思い出される 今日がまた 夕日になって墜落して行くのを 海岸から見ている事しか出来ませんでした その海に潜れば 砕けた昨日やらが海底に沈んでるのか ならば私は 魚に人体を売り あの日の破片をこの口で作り上げてみせる 蟹は私に語りかける それでも今は変わらぬよ 過ちの無かった事にされたあの日の翌日が 別に始まるだけだよ それでも構わないわと 私は名も知らぬ小魚に人体を売って 向かい入れる様な海の手招きに導かれてく 月が笑い転げている そんな私の願いを滑稽だと笑ってる 言い出す前に揃えなくては 未練が残ったまま無になってしまう 【イルカたちは荒れ狂う波に挑む】 染められてしまった皮肉を頂き ファンタスティックに転がる世界 酸欠で迎える朝に心臓のトランスが鳴る 甘い言葉を液体にして流し込め これから始まる事は全てに乗り上げる 黄身の様に零れるエネルギーを 吊るされている浅黒い空の星を見ながら 燃え上がるさの上に乗せる感覚 今夜の波は 魚にしか分からない 荒れ狂う静かな海 イルカたちは 縦断にてそこに ぶつかり越える あなたを連れ去る看護師の伝声 満員電車に紛れた小鳥の閉じた羽 首を見つけて欲しくて髪を伸ばしている外国人 お腹を切り裂いて真理を見せつける狂人 ライターの明るり灯せばジャムになるから 今夜は寝なくても良いよ 明日は世界で一番パンが食べられる日になる 私達は余韻を残し 発音を捨てました いつも響かせてる 誰かの胸を刺す様 イルカの超音波 そんな感じの 言葉にするよりも 大切で確かなものを フランダンスする器用な犬と フラフープ潜りタイムトラベル 必要な物は二つだけさ ラブアンドピースじゃなくて 心と身体なんだってさ ♯ザッパーン… 私 まだ 哀しい 盗まれた パレードの 出店での指輪 誰か見とれとる このチューリップ いつか枯れてしまう だから水をあげてよね 鳥 主義 メロウ 手首の傷 教会の裏庭 味の無い世界 箱舟は行くのだ 私は此処に居ます この世の果ての果て 林檎が上空に落ちてく テレパシーを受信しよう 三度目の同じ春が来ました 恋しさを食料に変換し頬張る 煙草の吸い癖はあなたのせいだ 明日が来ても喜ばないよ来年だけ 配線を駆け巡る電気になるんだ私達 操作していたよ誰かが僕の周りを全て 光は意思があり暗闇から逃げたがってる 目の前で飼主に死なれた犬は理解をしない 休日出掛けましたアパートは廃墟だったって 箱 外へ 飛行船 海水浴へ 無人島の猿 イルカたちは 言葉が揺れてる これは今波となる 断片的な希望の輝き 打ち上げられた魚の眼 先 木々 この手 翳してく 旗を染めた 刺青を足した 巡り逢う前とか 意味を知る昔から あなたを見ていたよ 予感に潜んでた他人は あなたの事だったんだよ 求めようけどそれは受け身 空は平等でしたいつの時代も 此所の白線は誰かの心なんだよ 地下鉄は行くよ地上への抜け道を 今 波は 静かに 引いてく 砂を巻いて 引いていくよ ♯サァザァー… 銃撃戦の行われる横断歩道を白旗あげて渡る これが無いと今日も誰かが要らない傷を負ってしまう 新しい開拓地が見つかったら サーカスをしながら徘徊したいね 流れは 変わらず 荒れ狂い イルカ達は 飲まれるのだ この静寂な海の中 海辺の二人は それを知らない 二人は それを知らない ディラックの海 白と黒の混ざり合う渦 水畑に植えた檸檬と青い空 試験管の母に宿りし黄身と バベンの橋は何時崩れるのやら カーテンの庭で踊り隠れても 足元は丸見え 振り向き様の唇の弧を見る 篭の部屋に玩具は片足 遊びの戦場で失った 来る日も石を積み上げる奴隷達 痛みを水で薄めた先に溺れろ 包帯を幹に巻き付けるのは 真っ赤な内臓が煌めくから ディラックの海で泳ぐ 真空のメロウに跨がり 零れたシロル山の蜜を 呆れる程に啜りたい 燃え上がる氷はアルコールで 繋がる湖の満月に投げれば 空の満月は激しく波打ち 星屑を嘔吐する 手を合わせて今宵は 多くの願いが叶うのか ディ ディ ディ ディ… 「バロックの時計塔が逆走を止めないのは、アントキシーの祟りなのだとサンドラ国の王様は言った。街が逆走し、建物は丁寧に解体され、老人が赤子に返りるのを止めなかった。アントキシーの住んでいた村へ飢えた虎の群れを放ち、村人を殺戮して行く。村人の死体はディラックの海へ束ねて捨てた。しかし祟りは無くなる所か加速を増し、いつの間にか冷たい風が吹く廃れた城へと追いやった。ありとあらゆる虫達が城を覆い尽くした。兵隊や貴族は全て肉を摘まれ死んだのだ。」 ディ ディ ディ ディ… 縞売り女の子から 灰色は明確さを買う 壊れかけのバカンスをしたくて 人殺しはディラックの海を買う 宇宙の遊泳をしたくて 未来派は糸とバランスを買う 漆黒の闇池に呑まれぬ為に 戦士は消えぬランプを買う 尖端を目指す芸術家達は 限られた人々の想像力を買う パレルを旅立つ貴女はこれから 永遠の片道切符を銀貨で買う ツンドラ砂漠を越える旅人に 商人は毛布と駱駝と水を売る レインボーロードからの脱出 逃亡へ輝く羽根を売る ノイズの蜂に刺されたい人へ この世の案内人はディラックの海を売る 首から取れて舞う花びらを 見上げる為の眼鏡を売る 深層心理が表に見える 紫の薬を青年に売る 淡く澄んだ緑に 汚れた白を売る ディ ディ ディ ディ… 散りばめた文で町を造り 速やかに鋏 鋏 鋏 雲切れよ あぁ フライパンに殻を割って 垂れ込んだ夕焼けを焼いてみる 膣に空気を流し込み 孕んだ女は「エアベイビー」と狂って回る 夜景がメビウスの帯で結ばれ 知らぬ宛て先へと送る 「なんちゃって!あはははは!」 ビターに塗れた意地悪なキラースマイル 青い春風に縫われ攫われろ 海が真っ赤なら雪は赤いのか 発明家の申し子よ 血液と苺ジャムとケチャップを ディラックの海へ 海へ 海へ 煙草の煙りを吹き捏て 懐かしき景色を見せるのは オーブンだった エンドロールが逆上がりし 人々がハッピーな顔で空へと 落下して行く 針やら 蟹やら その耳の ざわめきを 金星押し込んで沈めてあげよう 奈落へ 底は無く 丸く明かりは萎んでく 美しい白い肌に 砂の城 アパンドルの猿が住んでる 抽象的に浮く岩の地帯 行く末に広がる 渚の招く手 ランドレア製のドレスは 白昼夢でも着れたままで 滲んだ 滲んだ ピンクの頬に カンマリーの儀式を施せ 押し込んで出来た デスマスクを飾れば マブロの彫刻 蝶 出来上がる 名もない言の葉に 詩 書き込んで埋めれば 「綺麗な首飾り金と銀の/羽根の筆で飛ぶ様に書く手紙」 ってのならどんな言の葉を付けて どんな言の実を生やしているのかな ディ ディ ディ ディ… ディ ディ ディ ディ… ディ ディ ディ ディ… ディ ディ ディ ディ… ディラックの海 ザザァー… ザザァー
バイバイコレクションB-SIDE ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 961.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-05-07
コメント日時 2018-05-08
項目 | 全期間(2024/12/27現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
恰好の悪い物になってしまったなぁ タイトルは【ディラックの海】 白と黒の混ざり合う渦…てな感じに詩が続きます。 んじゃねー。いつか会いましょう。
0カオティクルさん、イルカって君らしいなって思ったよ。 また会おうな!なんて言わねーよっ。また投稿しよう。うん。 投稿ありがとう!
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