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心
SEXでしか優しくできない。 目を閉じてもまぶたの裏側が見えるだけだ。 柔らかなその手は、しっとりとして、すこし濡れているようだった。 ただ君の瞳を覗き込むことが精一杯の愛で、 僕には、僕には、君との距離を永遠に縮めることはできない。 肉体をどんなに重ね合わせたところで、心が重なるわけではない。 寂しさを虚しさで上書きしても、 子どもの頃、問いかけに答えてくれる大人などいなかったことを思い返すだけだった。 心はどこにあっただろう。 きっと梅雨に入る前の日だった。 知ることの哀しさを雨で流した。 麻痺した心は脳内神経物質の停滞を示す。 観測日記
心 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 774.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-04-30
コメント日時 2018-05-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
切実さや寂しさ、虚しさがストレートに伝わって来る作品だと思いました。 一行めが・・・言葉としては強いのですが、セックスと言う言葉が安易に使われるようになっている現代社会で、逆にインパクトを弱めてしまうような気もします。二行目から初めて、流れの中で(セックスでしか優しく出来ない)という現状認識と諦観、そうでない方向に行きたいのに行けない、というジレンマを出してみてはどうか。 また、題名が「心」、ナイーブなテーマであると同時に、受け止め手によって、極めて多様な解釈が生まれる、広い意味あいを持った言葉です。 最終行の「観測日記」無機的であるようでいて、作品の様態をよく示していて、なんだろう、という読者の好奇心をそそる単語でもあるので、これを題名にしてみてもよいかもしれない、と思いました。
1まりもさん コメントありがとうございます。 確かに一行目があれなせいで逆に軽くなっているような気もします。 題名については、心=観測日記という意味ではあります。
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