うそのはなし
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神話前夜
あまりの僥倖に少年は透きとおってしまった あらゆる視線から解放された虹の死骸だった ぬるい太陽に像を結べず絶叫したオオカミ 闇をこわす闇 夜を屠る夜 暗転する命 少年は輪郭を失い 宇宙の憂鬱 星間物質になった あまりの悲愴に少女は固まってしまった あらゆる視線の奴隷になった桜の恥辱だった あかい月に像を結んだ発狂したカナリア 光をこわす光 朝を齧る朝 明滅する命 少女は存在を尖らせ 地球の狂躁 ロケットになった 星間少年ロケット少女 ふかい絶望の夢裡に沈んでも 旅路の果てかならず 鼓動を重ねる時がくる 刹那の邂逅 球根のようにからまり 悲劇は上書きされ霧散する 孤独の終焉 宇宙(そら)でも響くオルガン 妙なる調べ奏で 抱擁する陰陽 境目溶けて婚姻し 千の天使たちが言祝ぐ 遠い昔の遠い未来の神話前夜の物語 まだオルガンが鳴っている 耳をすませば とおく とおく
神話前夜 ポイントセクション
作品データ
コメント数 ： 2
Ｐ Ｖ 数 ： 900.9
お気に入り数： 0
投票数 ： 0
ポイント数 ： 0
作成日時 2018-04-15
コメント日時 2018-04-18
Ｐ Ｖ 数 ： 900.9
お気に入り数： 0
投票数 ： 0
ポイント数 ： 0
作成日時 2018-04-15
コメント日時 2018-04-18
| 項目 | 全期間(2025/04/11現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
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- 作品に書かれた推薦文
神話前夜 コメントセクション
コメント数（2）
こんばんはよろしくおねがいします。 失礼承知で申しあげます 正直読み解くのに苦戦しました 神々しさが内からあふれ出していることは分りますが それ以上の書き手様が言わんとしていることを解くまでには至らず 自分の不勉強さと読むセンスのなさを感じました ただ、美しい響きで引き込まれるような詩であったことは言うまでもありません。
0李沙英さま はじめまして。まずは読んでくださりありがとうございます。 大まかにいうと、1、2連は｢幸せすぎても不幸すぎても人は孤独になるんだよ｣ということを書いています。作者がいろいろと屈折しているのでレトリックで武装していますが、そうとらえてもらってかまいません。 3連は｢星間物質になった少年とロケットになった少女が何万光年の果てに結ばれる物語なんだよ｣ということを語っています。作者がひねくれているので難解な言葉や比喩表現を使っていますがそう理解していただければ幸いです。(うすっぺらいJ-POPになるのが嫌で、愛だの恋だのいう言葉を避けたのですが、｢何万光年の恋｣くらいの言葉は使ったほうが分かりやすかったかもしれません。 勿論、言葉の選択は作者の意志だから、そこには思想や理想がかくれています。たとえば、ロケットを｢地球の狂躁｣と表現していますが、これはベトナム戦争で何万人の兵士が死んでいるときに、世間はアポロの月面着陸に夢中だった、ということを皮肉っています。ただそんなものは一読して理解できるものではないですし、スルーしてくれてかまわないのです。 最後に｢よくわからないから無視｣じゃなくて、コメントを残してくれたことに心から感謝します。 本当にありがとうございました。
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