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えいぷりるふーる
一年に一度だけ、嘘をついても、誰にも咎められない日がある。 そんな日でも、私は嘘をつくことができない。 嘘をつくって、いけないことだから。 誰かを不愉快にしてしまうかもしれないから。 私は、嘘をついてみたいという自分の感情に蓋をした。 みんな、四月一日は嘘をつく。 嘘をついてもいい日なのに、私は嘘をつかない。 嘘なんて、やっぱりつけない。 トラウマがあるから。 トラウマが、私には。 あなたには絶対に教えないけれど。 友達が嘘をついてくる。 私は、ちゃんとスタンプで返した。 作り笑いと、装飾だらけの虚言で。 私がトラウマを経験した日から、髪は伸びっぱなしだ。 あえて、切らなかった。 いや、切れなかった。 私には、切る髪がなかったのだから。 あれから数年が経ち、あんなに短かった髪は、すっかり伸びていた。 ベリーショートから、ベリーロングへ。 髪が短かった頃は、男の子と勘違いされたこともあった。 そんなことも、もうなくなった。 みんな、四月一日は嘘をつく。 嘘をついてもいい日なのに、私は嘘をつかない。 嘘なんて、大っ嫌い。 もう泣きたくないのだから。 泣きたくないよ、あんなことで。 そういえば、感情に任せて、ボウル一杯に盛ったホイップクリームに顔を突っ込んだこともあったっけ。 それくらい、私は動転していた。 自分のことが嫌いになった。 自分のことを全部壊したくなった。 嘘は、もう二度とつかない。 あの日、決めたことなんだ。
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作品データ
P V 数 : 861.0
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ポイント数 : 0
作成日時 2018-04-01
コメント日時 2018-04-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文