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考え事の推移
幼い頃、私には、死というものが恐ろしかった。自分が死ぬことも、身近な誰かが死ぬことも、見知らぬ誰かが死ぬことも。 夜に爪を切ると親の死に目に会えないとか、お腹の上に手を置いて眠ると早死にするとか、そういう迷信を泣いて怖がるくらいには。 生まれて初めてお葬式に参列した時、死とはこういうものなのかと、ひとつ恐れがなくなった。とはいえ、きょうだいみたいに育った犬が死んだ時には、それでも残されることはこんなに怖いことなのかと泣いたけれども。 身近な彼らが死んでから、死とはどういうものなのか、少し興味が湧いた。私は刻一刻と死へ近づいているわけだから、怖くなくなっているのだろうか? いいや、やっぱり死ぬのは怖い。 でも、私より先に逝ってしまった人々が、そこで私を待っていてくれたならいい。そこが幸福な場所ならいい。死は怖いものだったとしても、その先にあるのがあたたかな場所ならいい。 彼らが幸せであるならいい。 そうであるなら、きっと私は死を畏れない。
考え事の推移 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 293.0
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ポイント数 : 0
作成日時 2025-02-05
コメント日時 2025-02-06
項目 | 全期間(2025/04/12現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「給料の支払いを待つ労働者の様に、ただ死を待つ」 釈迦の弟子たちがテーラーガーター(男性出家者の詩集)テーリーガーター(女性出家者の詩集)などでこのような言葉を遺し、死を迎えていました。 果たして死んだ向こうがどのような場所なのか、観測も判断もできない訳ですが、初期の出家者のような態度は困難ではあるので、あたたかな場所であるのを望むのは悪くないかもしれません。 同時に今の生を全力で生きるのは必須ですが。 死んでいく ヨイオトヲキケ 川渡れ (コレヨリノチノヨニウマレテ・ヨイオトキケ 熊の皮を剥ぐ際のマタギの祈りの言葉) 唱えるは なむあみだぶつ 合掌
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