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流れよ涙
冬の日は穏やかに暮れ あなたが去ってひととせ 庭の薔薇は幾千も枯れた 夜の帳は永遠に閉ざされたまま 空を舞う雲は朱く波は黒く鳥は声もなく 私の兎は飢えて骸となった うなだれた兎を抱く私の後から 闇夜の中松明を掲げて黒衣の葬列が進む ぱちぱちと爆ぜる火の粉を金粉のように撒き散らし 月もない浜辺をひたひたと歩む 足あとは波にかき消されて残らない 竪琴が奏でる葬送の旋律は雲間に消え 指から転げ落ちる桜貝の貝殻は吹雪のように撒き散らり 波のまにまに消えていく 果たされなかった約束 噓の蕾にくちづけを 瞼は割れた硝子窓 流れよ涙
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流れよ涙 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 335.9
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-02
コメント日時 2024-12-09
項目 | 全期間(2025/01/18現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
行間は詰めたほーがええのではないかと(僕は)思いましたよーまぁ好みの問題になりますけどねー詰めたほーが「流れよ涙」に向かって凝縮していく感じが出るよーな気がするんすよー
0叙景が比喩のようになにかの意味合いを帯びていますが、もっと明確にメッセージを 強調するといいのではないかと思いました。ただ、美しい言葉を心掛けて書いておられる ように思い、楽しめました。
0素晴らしい詩ですね、美しい。音も意識しながら丁寧に書かれています。たとえば、「撒き散らり」という言葉や、タイトルの「流れよ涙」など、小さな違和感のある表現を、音で包みこんで届けてくる感覚がします。 一つ、気になったのは四行目で、「永遠に」という強い言葉を使わずとも「永遠」を描ける方だと思ったので、どうなんだろう、と思いました。「帳」の口の動きに引き付けられてきたのかもしれませんが、たとえば前の行の「幾千も枯れた」という表現で、「永遠」も伝わってきています。 後半、兎と葬列の展開については、ちょっと閉口してじっくり味わいたいくらい、好きです。 次回作も期待しております。
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