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たねなし柿
かじかんだ指先が短い秋のおとないを告げている (君、私に口付けられる夢を見たんでしょう) ステンドグラス越しのような飴色の傾いた日差し (だけど天使たちは自分の身を守る術をもたない) 信じてはいけないことだって世の中には多いのさ (人の名前ぐらいはきちんと覚えておくべきだよ) 何処からやってくるのか、家の庭にはよく蛇がいた 里山は近かったが普通の住宅街だったので そんな長い生き物が理由もなく花壇でとぐろを巻いていることには怯えさせられた (噛みつきやしないのに) ジョロウグモが右手を這っていた時思わず振り払ったらそう言われたけれど 蛇は噛むだろ 大体噛むかどうかじゃない これ詩と関係あるの?ないかもしれないと韻を踏めばいいのかもしれない 世界の終わりという魅力的なフレーズ 一缶59円のミニサイズのコーラみたいに売れる 夢を買うことは別に間違ってないと思うけど ねえ、寒いね 抱き締めてくれる? エアコンのスイッチを入れてくれてもいいんだけど 自分がマイクを片手に一人で5時間喋り続けているような罪悪感 壇上に立つこと コミュニケーションを取らなくていいと拒絶されたような絶望感 (ここで意味の交換です) 全ては愛する世界の模倣と言ったが、 世界が愛してくれてるかどうかなんて本当は私も知らないんだ 適当でごめん 興醒めなことを言ってるって気が付いたら あなたはもう退屈な休日の朝を迎えることを許せなくなるから なるべく何も教えないようにしてる 間違った教えかどうかを決めるのは時間だけで 臆病なぐらいのほうが 短い人生を過ごすには相応しいから つまり 今日は土曜日で都心の気温は一桁を記録したよ だから少しだけ多く物を話しておこう 食べ飽きてしまわない程度に、なんでも適量がある 受け付けない言葉だってあるさ 月が昇る頃になると 僕達はよく自分が死んだ後の世界の話をした 僕達は身体を失っても生き続けることが出来る それが絶望かどうかを確かめていたのかもしれない 白い肌に赤い瞳、太陽を知らないにしては美しい 「人は目で見えたものを知るわけではないからね」 札束を丁寧に数え直しながら彼は笑った 丘の上の大木と月は仲良しだし 年を取って随分丸くなっていたから 自分達のところに来る小さな子供の様な神々のことを いつも手厚くもてなしてくれた 客人をもてなすことの意味を神々が知ることはないのだけど 海を作ることは出来ても それを渡ることはきっと叶わない スイッチする人生 ふざけて転げまわれることが一番偉かった時代 字が書けるのは恥ずかしいことだったから (そして言葉は羞恥心をひっかくように乱暴だった) 結果する樹木が不思議でならなかった (昨日あなたのことを思い出しながら柿を食べたんです (たねなしでした (ああ、実しか食べないって幸せもあるんだよなぁ、って (そもそも食べられないものってあるんだよなぁ、って (なんとなく悲しくなっちゃって
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たねなし柿 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 379.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-09
コメント日時 2024-11-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
たねなし柿に何を思うか、最後の三連に凝縮されてるのですが、ささやかな日常にあるささやかな感情をうまく書き留めているような作品だと思います。作者は一文づつしっかりと読ませたかったのかな、長いので一気に流れたほうが、こういう作品だという強みとして一気に読ませられるので、区切る必要はない気もしました。縦横、連や行、空白って結構悩みますよね(私だけかも(-_-;))
0あまり気負わずに書いた所が良かったのかもしれません。レイアウトに凝り出すときりがないので、最近はほとんど直感です。意識していないだけで、本人なりの意味があることなのでしょうが、掘り下げて考えたりもしていませんね…。絵を描く感覚なのでしょうか。柿はおいしかったです。
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