蓮の葉から水をいただくのは
いつまでも胸を腐らせたくなかったから
とまらない水の流れのなかで
とまってしまっては腐敗してゆく事実のなかで
いつもとまる夢をみていた
青い風があらくれるのは
誰よりも出口を求めて苦しむから
スズランの香りに立ち止まることだけ
鼻腔を出入りする粒子を数えることこそが
それだったとしても
止まらないことで一枚一枚剥がれ落ちることが
実感でありひとつだけの方法だと
語り続けた冷たい風たちは今も
くるくると転がり絡まり続ける
なにかしようとすればこちらが奪われて
流転共同体となりその渦は肥大する
いまはここで空を口に含むこと
わずかな香りの風をとらえて離さないこと
己をてごたえなきものにすることだけを
ねがうことなく唱えるしかできないのだけれど
いずれにせよ糸玉は自壊するしかなく
あとにはたくさんの肺病やみが
久しぶりの陽を浴びに生れ落ちて
ただの繰り返しのひとつの相がまた宿る
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 601.1
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-07
コメント日時 2024-11-20
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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閲覧指数:601.1
2024/11/21 21時21分54秒現在
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お坊さんに警策してもらったときのことを思い出した。寝ていなかったのに、覚める感じ。読めてよかった。
1全体に少し散漫な気がしました。文章の一つ一つの行に対して、その行が、きちんとした立派な表現 になっているかと気を付けるといいんじゃないかな、と私は思いました。つまり、言葉の選択 ですね。日本語だと、様々な助詞が工夫できるので、そのあたりが洗練されているかどうか と言ったところが、関門になるのではないでしょうか。表現のブレークスルーを自分に対して 感じた時、詩を作るということが、いかに自由か実感できると思います。涙流すほどの 感情を喚起できるだけの表現力というものを、つけることは可能です。だけ、とか、こそが、 とか、いずれにせよ、といった言葉が、本当に適切なのか考えるべきではないでしょうか。
1たまにナンセンスな表現が入ってきますね。そこが良いです。 「スズランの香り」を、「鼻腔を出入りする粒子」と言ったり、輪廻を「ただの繰り返し」とする。他にもあるのだろうけれど、この効果はなんだろう。 輪廻と聞くと私は壮大さというか、大きく残酷な運命の手中に収まっている印象を受けます。実際はそうではないんでしょうが。ただの繰り返し、と書くと、気持ちが楽になるというか、そう感じる人が少なからずいるのではと思いました。 あとは、第四連が人間くささが出ているというか、回りくどさが逆に良かったです。
1コメントありがとうございます。警策って、すぐれた詩文を評する言葉でもあるそうですね。そちらの意味にも合致するような詩を書いてみたいものです。 私はすぐ眠り状態になってしまうので、my警策が欲しいです。読めてよかったと言っていただき幸せでした。
0コメントありがとうございます。推敲をほとんどしないので、読むときの流れの良さを優先して言葉の選択が甘くなっていたかもしれません。 詩を作ることがいかに自由かということも、感動を呼ぶような詩作も、体験できたら良いです。 「文章の一つ一つの行に対して、その行が、きちんとした立派な表現 になっているかと気を付ける」、意識してみたいと思います。 率直なご意見をありがとうございました。
1コメントありがとうございます。 >たまにナンセンスな表現が入ってきますね。そこが良いです。 >「スズランの香り」を、「鼻腔を出入りする粒子」と言ったり、輪廻を「ただの繰り返し」とする。他にもあるのだろうけれど、この効果はなんだろう。 この詩はマインドフルネスをテーマにしているんですけれど、経験を純粋にみるということを拾っていただいたんですかね。現象学的還元とも言えるかもしれません。異化とも似ていると思うんですが、意味のはぎとられ具合が異化とは違うように思います。 >ただの繰り返し、と書くと、気持ちが楽になるというか、そう感じる人が少なからずいるのではと思いました。 ありがとうございます。嬉しいです。 >あとは、第四連が人間くささが出ているというか、回りくどさが逆に良かったです。 悟りめいたことを詩にしてみたくて書いたのですが、当方は迷いだらけですからやっぱり人間くささが自然と出ましたね。
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