手放すんなら 今のうちだと
夜闇と街灯が囁いた
ようやく買えた 新しい傘
何もかもが丁度いい塩梅な様
(満足か?)
呼びかけてくる
安堵に満ちた 今日の終わりが
私の無事をよろこんでいる
ただ
職場に何かを 置いてきたような
焦燥
暗い冬の気配
両の耳に週末のメロディー
寒い
どうでもいい
降りた肩の荷の分宙に浮く足
死のにおいがした
確かに今
いつもの十字路 その先で
真白に解けた
自分がいた
あの闇にとびこんでいた
頭をよぎる 空白のこえ
少し向こうへ 踏み外すだけ
頭をよぎる 空白のこえ
少し向こうで まぶたがあいて
ああ
身を焼く様な
嘆きの炎でも
暖は取れてたんだと気付いて
痛みと傷を
取り戻そうとする
悴む手とマッチの火
頭をよぎる 空白のこえ
手放すんなら 今のうちだと
頭をよぎる 空白のこえ
今でもそこで くちをひらいて
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 315.9
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作成日時 2024-11-02
コメント日時 2024-11-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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2024/11/21 20時37分17秒現在
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痛みと傷が生きる灯火なのは切ないですがそういうこともあるでしょう。生活の中に潜む希死念慮の詩かなと感じました。何か共感出来て気持ちよかったです。でも楽しく生きたいものですね。
1素晴らしい詩ですね。 リアルで感動しました、また詠ませて下さい。
1寒そうですね。マッチ売りの少女を思い出しました。今のうちと言われて、やめる人はあまりいないでしょう。 悪魔の誘惑、あるいは天使のささやきに嘯かれた私たちは、いつもきまって落ちていく。 奈落の底へ?この世の地獄へ?それでも這い上がってこられることは、きっとみんな知っている。 行かねばならないときはある、頭のいい人も、みんな失敗する。下手を打つことはなくても、 必然的に落ちていく。脅かすわけではなく、それが正しいと知っているから。世の中に、 失敗は、煩悩に従って起こります。では、煩悩ではない天上の思考の促すものは、 一体何か。 余韻の残る詩だと思いました。
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