夏の衰退の間隙を縫ふやうに
目覚め行く秋は
やがて世界を彩り鮮やかな景色へと変へるが
それと共に吾が心も彩り鮮やかになるかと問はれれば
――否!
としか言へず、
吾が心は冥い影に沈んでゆくのみであらう。
浅川マキのやうに黒尽くめの衣装で登壇するや
世界が浅川マキならではの独壇場へと豹変してしまふ
そんな魅力を持ち合はせてゐない吾は
唯の冥い影として此の地にへばり付いて
地を嘗めながら生を繋ぐ生き物へと変はりゆく。
粘菌の如き生命力もなく、
唯唯、地を嘗めながら時空間に囲繞されて
一所に留め置かれるしかない吾は、
さうなると最早彩り鮮やかな秋の世界は
焔に燃える地獄と何ら変はりがない。
世界が美しく色付くにつれ、
吾が身は地獄の焔に灼かれて
慟哭する外ない。
何故に吾は地獄の焔に灼かれるのかと問へば
それは吾が此の世に存在しちまってゐるからに過ぎぬ。
地獄の焔に灼かれることでのみ吾は生きてゐることを実感できる。
さうして吾の燃え殻が吾の冥い影として吾に纏はり付く。
そんな彩り鮮やかな秋が地獄を引き連れて目覚め行く。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 405.1
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作成日時 2024-10-06
コメント日時 2024-10-06
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/27現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:405.1
2024/12/27 03時08分35秒現在
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此の度は、歌誌「帆」自由詩掲載欄へとご投稿を賜りまして、允に有り難うございます。 未だ、ご応募受付開始よりは間がございます。 暫し、(凡そ、冬季‐年始頃に始動との計らいでございますから、その時分、迄。) お待ち下さりますと嬉しく存じ上げます。 御作を、拝読させていただきました。 堅実な描写力、華美に傾き過ぎず、即‐現実に捕われ過ぎず。 美的修辞と実地力も確かな、御作であると拝読をさせて頂きました(「囲繞」など、たまりませんね)。 然し如何でしょう、もっと難読性を突き詰めても宜しいものが描けます、実力もある様にも感受をせれらるのでございます。 戦‐前近代的美意識を復古なされても、物に出来得るのではないでしょうか。 此の作者様に於かれましては、可読性に注視を為されない方がより作者様らしい御作を仕立て上げ為されられる様にも思えるのでございます。 紅葉を爛欄たる地獄と把握なされます様な感性を、誌的語彙に拠ってより先鋭化をなされた作品を、是非とも拝読させて頂きたくも存じ上げます。 型は確りと出来ておりますから、もう三、四寸程の詩的理性に拠る狂奔を垣間見せて頂きたく存じます次第でございます。 要は、如何に知的に狂うか、ということでございましょう。 それでは、復のご挑戦をお待ち申し上げております。 此の度は、ご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございました。
0浅川マキの存在が強烈すぎて詩を超えてしまっているようにおもう。固有名詞に拘るのは悪手のようにおもう。かの女のレコードはセカンドしか持ってませんが。
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