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小曲譜・デューラハーン
いつはりて 著し しるしく 七莢へひとつたらざる 六鞘の燭臺もちて靑き少年の、 襯衣にとどむる 木の綿の花実つきにける : 牧羊神の晩餐へ、 ひきしぼらるる弓弦の秘めし一室より西方へ 緋の銅の風見鶏立てり そは噴かず 炎の舌 鐡の口 真鍮の貌ふちどらる ジャンヌ・ダルクの忌日にこそ啼け 忌忌し、白百合の萼ひらきけり 死の今際にしてたちすくみをりし 百の騎兵よ とくと聞け! われらが天堂攻入りぬ、 叛-天使群こそうちくだしては 救世に誉こそあれ おろかし、 いつぞやの雪はだらにも穢れりしるきはなに 五弁星図のしるしはありぬ 敵こそは糧 敵こそはわが櫓 なだれこみゐし騎兵の数多 みづからの甲さげつつも そは 刎頸の殉教徒ならめや 死してなほも呪はれてあれ 頸無しの騎馬率ゐてはかへるそは 煉獄ならずや、
小曲譜・デューラハーン ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 471.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 215
作成日時 2024-09-07
コメント日時 2024-09-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 50 | 50 |
前衛性 | 30 | 30 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 50 | 50 |
音韻 | 30 | 30 |
構成 | 50 | 50 |
総合ポイント | 215 | 215 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 50 | 50 |
前衛性 | 30 | 30 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 50 | 50 |
音韻 | 30 | 30 |
構成 | 50 | 50 |
総合 | 215 | 215 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体的に何か純粋な、希望のあるものをかき消してしまいそうな大きな恐怖感、脅威を感じる作品でした。 純粋な、希望、などを感じた箇所は >木の綿の花実つきにける >白百合の萼ひらきけり >いつぞやの雪 等です >牧羊神の晩餐へ、 >ひきしぼらるる弓弦の秘めし一室より西方へ >緋の銅の風見鶏立てり >そは噴かず ジャンヌ・ダルクが、レ・トゥレル」への最終攻撃に参列した際に、首に弓矢の傷を負いながらも戦ったという話を思い出しました。風見鶏が風でなびかないところには、ジャンヌ・ダルクの強い意志なども感じるし、戦う以外に道のない、悲しい定められた運命なども感じます。 フランスのために戦いながらも、最後はイングランドなどから告発され、宗教裁判にかけられ、火刑にかけられてしまう。罪が晴れるまでの二十数年、彼女は煉獄の中にいたのか、という想像もしてみましたが、あくまでもそれは地上での名誉回復であり、ジャンヌ・ダルクは既に天国でその様子を見ていたのかもしれないと思いました。しかし >死してなほも呪はれてあれ >頸無しの騎馬率ゐてはかへるそは >煉獄ならずや、 この強い表現が、火刑に処せられたジャンヌ・ダルクの強い恨み、呪われたまま死ぬのだという恐怖、無念さを表しているようで、死後、どんなに故人の名誉を取り戻したとしても故人は報われないのだという悲しさを感じました。
批評、レスポンスを賜り、ありがとうございます。 可読性全無視の方向へと、つまり文語旧仮名書体へと舵を切らせていただきましたので、余り好まれないかな、と存じておりましたので。 斯様な擬‐古典調の詩文を閲覧し、読解して下さりました丈でも万‐万歳なのでございますが。 實は、細部には余り拘泥をせず、作歌(詩作)をさせて頂いて居ります所存でございます。 只管にことばの言葉たる地点、乃ち美‐意識への可能性に則って、記述をさせていただきました。 ことばみずからが躍動を致します迄は、自分は何も書き遂せませんものですから、 或る種、自動筆記(オートマティスム)か、霊媒の譫言に近しいのかも知れませんね。 ジャンヌは天堂へゆかず、 煉獄(今し世)にその彷徨をせるものか、いかがか。
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