別枠表示
この雨の降りつづく夜の世界のかたすみで
灰色の瞳のひとに なりたいな ひとの純白な夜のかたすみの 憎しみはほんとうのところ 涙が綺麗だと勘違いしている愚かさに似る 炎上する胸の奥から飛び散る汗と 同じ色しかしていない命の燃え滓なのに この雨の降りつづく夜は いったいいつになれば明けるのだろう 胸に飼っているもつれてしまったしがらみ そんなものに操られて生きるのは 嫌だから嫌なんだ 眠れなければ眠れないままでいいよ ひとり暮らしって 明けない雨の夜を泳いでいるみたいだなと そしていつかエラ呼吸なんて 覚えてしまうんだあゝ人魚に逢いたい おだやかな微笑みをいつも 浮かべていられるあのひと みたいに光っていたいな 賑やかな災いが日々やって来る世界 悲しげな笑顔がグサリとちいさな胸を刺す あのひとのすき透るみたいなカッコ良さは まるで暴風に巻かれる甲虫の涙みたい けんめいに逆らいつづけた白い罪びとの 悪に堕ちないための我慢の果ての涙みたい 逆らえない悲しみと背中合わせの罪 風は吹きいつだっていつまでだって 吹き 吹きつづけるから 吹きすさびつづけるから あのひとが生きてくれているから わたしも生きているのだと 心無い嘘ではない潔白を証明できる想い この雨の降る 降りつづきまた降りつづける夜だから 夜は天国に行けなくてもいいかな おだやかなまま死んだように眠りたいな ほんとうに死んだように眠りたいだけ 叶ってこの 灰色の 希い あゝ 灰色の瞳のひとになりたい
この雨の降りつづく夜の世界のかたすみで ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1277.3
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-07-03
コメント日時 2024-07-21
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
厳しい世の中でも強く生きていけるあの人への憧れと愛が哀しくも美しく表現されているなと感じました。 もう一回読み返してみます(*´ω`*)
0湿気を帯びた幻想性があって、素敵な詩だと思いました!
0→湿気を帯びた幻想 感想の表現域だけで、すでに詩人ですね。 →哀しくも美しく表現されている愛 嘘みたい!こんなに嬉しい解析はないな。 僕の詩への「『感想への感想』という感想」でした。 「村の時間の時間」(だれも、知らないだろうなぁ)みたいに上手く云いたかったんだけど、なんだか失敗した、みたい、な。 あ、そうじゃない。 お二人とも、ご感想をいただきまして、ほんとうにありがとうございます。 でわ、また。 バイ、ナラ。
0雨と、あのひとへの思いを、からませて展開していますね。その筆致には乱れがなく、 強い思いが感じられます。長さのある詩を、息切れせずに、丁寧に書いてあり、 どこにも傷がなく、真実を述べるのに成功していると思います。 灰色の瞳、というのが、僕には少し難しかったです。色のない世界、という意味でしょうか。
0丁寧な感想をありがとうございます。 あくまでもイメージですが、「灰色の瞳」というのは、黒い瞳を十として白い瞳をゼロとした場合の五くらいでぼんやりと物事がみえる瞳、みたいな感じです。 私はそんなことは無いのですが、物事がみえすぎるひとって、大変なんだろうな、とか想像ちて書きました、失礼、噛みました。
0> 灰色の瞳のひとに > なりたいな これやっぱりすごいと思う。普通の思考に慣れ過ぎてくるとこういうの思いつかないと思います。瞳の色とか、基本、絶対変わらないのに、それを言うっていう、そういうことで表現できる、かわいさみたいなものってあると思います。考えてみたら私もできれば天才になりたいんでしたが、この作品を読んでそれを思い出しました。雨が本当にやまないのであれば必ず灰色の瞳になれる。だからこの詩ってかなりポジティブだと思うんです。
0いすき様 感想をありがとうございます。 ポジティブを目指したいのはその通りでした。 ちゃんと表現できていないと想っていました。 お読み取りいただき、ありがとうございます。
0