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世の中は理不尽だ
世の中は理不尽だ。 丁寧に 丁寧に、懇切丁寧に上を向き続けていても、死にたいと思うのはいつも自分だ。 それもそのはず、ぼくの空色はみんなよりもちょっと濃いらしいから。 もがいても もがいても、気付けば日の明るさは水面越しに見えてしまう。 それもそのはず、ぼくの友達はみんな船の上にいるらしいから。 沈んで 沈んで、どこまでも沈んでゆきたい時がある。でも、できない。 それもそのはず、ぼくの周りの船から釣り針で無理やり引っ張られてしまうから。 世の中は理不尽だ。 ぼくは彼らを沈めてしまいたいと思ってしまう。 ぼくは彼らの幸せを純粋に願うことが出来ない。 ぼくは彼らの船を押してあげるだけの力もない。 世の中は理不尽だ。 ぼくは見上げることが当たり前になってしまっている。 ぼくはもう息を止めることが当たり前になってしまっている。 世の中は理不尽だ。 ぼくはこんな世界でも、いつか自分の優しさが帰ってくるのだと疑えない。 まどろんだ意識と視界に沈みゆく中、ぼくは口を開くことをせず、ただうみぞこの濃紺が空色と混じってゆくところを目撃した。
世の中は理不尽だ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 589.6
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-05-27
コメント日時 2024-05-28
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
各連の発想がユニークで良いですね。ただ、「世の中は理不尽だ」という言葉が詩全体の足を引っ張っている気がします。 物事を捉える目は持っていると思われます。「空」が持つべき透明性=心象を映す余白が無かったり、海という場所に「他人の船」という一捻り置かれているところは、世界の解像度が上がるポイントでしょう。 「世の中は理不尽だ」と言わずとも、そのような意味を主張できる力があるのではないでしょうか? 後半、「幸せ」や「優しさ」という曖昧な言葉らが入ってきてしまうことで、前半までの世界観が薄れてゆく気がしました。 また次の詩も読んでみたいです。
1コメントして頂き、ありがとうございます。 ミハイ様のコメントを読み、自分よがりで何をしたいかという所を投げっぱなしにした詩になってしまっていたのかなと感じました。 正直自分の気持ちの発散で書いたものだったので、次は誰かに読んでもらうことを意識しながら書いてみたいと思います。
1「世の中は理不尽だ。 ぼくは見上げることが当たり前になってしまっている。 ぼくはもう息を止めることが当たり前になってしまっている。」 この三行が印象的ですね。さすがに息を止めっぱなしでは死んでしまうでしょうが、それだけ深刻であると言う事が伝わって来ました。
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