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四月の鬼
先の夏の暑さを怖れ 奔流する 命の 行き来 夏の暑さを怖れ 私は幽霊として脚が無く ここにいてそこにいけない そこにいてここにいれない意識の猥雑さを嘆き まったくの鬼でもあって 煙草や ウィスキーや 地球といった 茶色走ったものらを好み しかし常に飢え 渇き 満たされることなく 郊外の こみいった 草一本ない敷地の家の書斎から あの青空をのぞみ あの青空にあこがれ あれはどこか死に近そうで また違うようだがどうだろう 得たものでなく 与えられたもので生活を構成し なにとなく 憤怒し なにとなく 哀しめ こんな書き物も慰めにならず 昔の都会の風景をおもいつつ せっせと雑巾で 木目を拭っては 肺気腫を怖れつつ エコー・シガーを 一服一服吹かすのだ まるで自らの 命さえ自分で喫っているように 一服一服吹かすのだ 一服一服吹かすのだ
四月の鬼 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 620.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-04-24
コメント日時 2024-04-26
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんばんは★ 物語のような 現実のような でも読んでしまう内容が とても楽しかったです!
1タイトルがもう少し凝っていればよかったなあというきもち。鬼という表象をうまく活かしてほしかったなーという感じです。ただ、それを抜きにして考えるととても良い詩だと思います。リズム感がよい。あとは表象がまとまっているのですよね。生活詩としてすごく良いです。
1春、特に4月とかは自然も人もなんだか元気になって、周りが活気に溢れててきて、そしてそうなると自分の暗い、あまり日に当てられたくない部分が目立ってきて、色々考えてしまう、そういう感覚を私に連想させた詩です。
1鬼は~外。福は~内。豆まきわっしょい。肺気腫は怖いですね。一服一服吸えば、 タバコへの未練も、良いものに変わるでしょう。お疲れでした。生きるのは疲れることです。 でも、肺を誤魔化してはいけませんよ。苦しいものは苦しいのです。
1幽霊のように足がなくどこにも行けず、季節が変わるのが(夏の)輝きが恐ろしいと理解している。鬼――と、それを悪しき心と例える、なにか餓鬼のような希求だけが、日々の感情の中に見え隠れするけれど。それをいまだやめられないタバコとともに、吸って吐いて、そのケムを深く吸い込むこと(吹かす)をしない。けれどtitleに4月の鬼とある。もうすぐ5月になる月末にて、この鬼は今、悪しき心を追い出よう、こころを鬼にして、生きてみてもいいのではないかと……titleに据える。といった、うじうじした男の姿を思いました。うまいね
1こんにちは。 むたんちゃんさん。 今の家に移ってきてから、家相?っていうのかな それが非常に良いらしくて まあいい事も悪いこともありますけれど 生活がドラマチックになりましたね。 ありがとうございます。 楽しんで頂けたらばそれでいいかな。 重ねて感謝。
1こんにちは。 その、鬼、っていうのは餓鬼のようなイメージで その物を食べても、食べ物が煙に変わってしまって 永遠、満たされることがないという。 そういう世界に落ちてしまったんじゃないかと思って。 まあ、それは裏テーマっぽい感じなのですけれど そう、生活詩として読んで欲しかったですね。 久しぶりに、行わけ詩を書いたのでリズムとる時に 「これでいいんだっけ?」っと 何度か思いましたが まとまっているようで良かったです。 多謝。 読んでコメントして下さってありがとうございます。
0コメントありがとうございます。 そうですね。 世の中はこれからゴールデンウィークだ、つつじの花が咲いている というのに、自分というものがあまりに暗い。 まるでコントラストのように暗い。 頼れるものが、無意味かもしれない青空だけでしてね。 季節感が、巧く表現できたでしょうか。 多謝。 お読みくださり、考えて下さってありがとうございます。
1黒髪さん お疲れ様です。コメントありがとうございます。 この作は煙草でもって、やっともっているような作品で 私は一応、問題提起なんかも、作品に混ぜますね。 そうしないと 黒髪さんがあまり好まない「朔太郎」的な作品に なってしまうじゃないですか。 まあこの作品は朔太郎+中也ですね。 無から有は生み出せないんですね、僕は。 感謝。コメントありがとうございます。
1コメントありがとうございます。 A・O・Iさんの作品なんかを読んでも思うのですけれど。。。 詩は、詩、というものは非常に女性的なものですね。 これが童話になると男性的に思えるのですけれど。 まあ、人間の性のヴァリエイションに色々説が出つつ 男性的な私は、その女性的である詩にあって 「めそめそ」するしかないのかな というのはありますね。 峠を越えたらここに落ち着きました。 感謝。
0生きている、ということに時折耐えられなくなる、焦燥やぼんやりとした孤独や安楽を眺める心を思い出しました。エコー、昔吸っていました。タバコ吸いは肩身が狭くなる一方でしょう。残念です。おおらかさ、寛容、そういう気持ちを忘れたくない。
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