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桜の詩
桜の季節は路線バスと共に過ぎ去る この花の美しさをどう表現すれば正しいのか 考えているうちに花びらは全て散ってしまう 薄ピンクが所狭しと群れている ムエット紙に吹きかけた香水のように この多幸感も3日後には霧散しきるというのに 今日もいつもの場所で 不動産仲介業者がビラ配りをしている 行き交う8割は彼に見向きもしない 36年の人生で得たものといえば あらゆる拒絶にたいする耐性だけだった 人は彼を強い男というのだろうか? 彼はそして桜の木を見上げる もう見飽きたはずのこの道だけど こんなに眩しく暖かい 今日こそは ようやく自分が祝福される日なのだと 錯覚することにした もう一度 一面の桜を見上げて考える 私たちの一生が どうしようもなく短く 軽薄でも そのひとひらひとひらが 美しくある権利があるのだと 幾百万の花弁が一斉に囁いている
桜の詩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 426.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-04-08
コメント日時 2024-04-09
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体的に上手くまとめていると思う。美しきかな桜といったかんじ。けどいったい誰目線だろうという歪さが見える。私には1連ごとに違う人の姿が浮かびました。1連目は路線バスを待つ女子高生。2連目はふわりと香水をかおらせる女性。3連目だけ妙に詳しく本人しか知りえない年齢が記してあり、彼といいつつ、自分とも書かれている。キャラが立ちすぎている。これがとても違和感だった。最終連、皆桜を見上げてしまうのだろうな。すると私たちという書き方でも違和感は無いかなと。そういう風に汲み取りました。
1コメントありがとうございます。おっしゃっていること、的確だと思います… 三連目のくだりは、実際に毎日歩く道で目にする不動産仲介業のサンドイッチマンを見て、彼の歩んできた人生はどんなだったんだろう?彼はこの桜を見てどう思っているんだろう?と思いを馳せてできたので、妙に具体性を帯びてしまったのだと思います。もっと彼にスポットを当てて書くべきだったかもしれません。「みんなで見る桜、きれいだなー」という陳腐な印象のしめくくりにはしたくなかったのですが、誰目線か定まっていない書き方のせいで、結果的にそうも読めてしまうかもしれませんね…
0桜を見上げ思いを馳せる、そういう意味であれば、3→2→1→4 にすると主体として彼が活き、あとは桜咲く町並みや人々の空気感を置くことで深みが増し、そのなかで私が見えるよう調整すれば、ずいぶん印象が変わると思います
1確かに並べ替えるだけで印象がだいぶ変わりそうですね…! 詩の書き方とか構成について文字通り右も左も分からないまま、思いついたままに書き始めたもので、ご指摘とても勉強になります。ありがとうございます!
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