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アメスピ
サーモスのカップへ コーヒー粉 砂糖 水 氷をつっこんで ガチャガチャかき混ぜて 今朝のする事は終わり 換気扇 まわし すいこまれてゆくアメスピの煙 誰かに負けていると思うけれど ラット・レースから冷めちゃって 敵はいつでも過去のじぶん 固執するから しているのだろうけれど 手帳に言葉を書きつづる おれは机の上を冒険する それは生産ではなく祈り いつか 言葉がふってくるといった人の事 わからなかったけれど 今では今朝みた夢だって書きつけている 労働がいつだってキーなんだろう 工場で働いていた日々 フォークリフト カゴの束 安全標識 こびりついた記憶で構成された夢の中で おれはいつだって夜の中に残されていました 残業禁止! しかし おれはチャイムが午後五時を告げても汗を流している/いた 今 太陽の運動と睨めっこ やめてしまって潜るベッド 妄言をやめたら 世界は不思議だなと確かに思った しかし多くが 秘密の箱の中はカラ 蓄えよ力 春になればあざやかな朝と共にあたらしい空気を吸う 吸ったり吐いたり 吸ったり吐いたり 今日の道のたんぽぽ咲いた 鳥がピーピー鳴いていた おれは おれのエゴは この地球という星を気に入っている じぶんを大切にし ほんとうに必要なものだけで この家を構成したい として 丁寧 本に目を通す 冷たい風が吹く 今はただ青い空 茶色い山に目を向ける じぶんを大切に ほんとうに必要なものだけで この体を構成したい として このアメスピの苦みは あなたは おれの髪は煙草の匂いがするけれど それ以外の匂いはしないと言った このテキストを切り上げて 蝋梅咲く陽の光りの道を歩きに出よう
アメスピ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 966.5
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 27
作成日時 2024-01-19
コメント日時 2024-02-15
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 5 | 5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 11 | 6 |
エンタメ | 6 | 6 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 27 | 22 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.5 | 2.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 5.5 | 5.5 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 13.5 | 13.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
清清しい読後感を覚えました次第でございます。 生活と記述の往還、エゴをエゴと言い切って終う純粋性、等、等。 >労働がいつだってキーなんだろう 例えば労働を、行為と読み替えても宜しいかも知れません。 行為に伴う観察が、或る種の構造の一角を視認する時、そこに外部的な存在の実像が顕ちあがるのかも、等とも思いました次第でございます。 縮尺としての世界像を記述内に仮構する時、そこに某かの力が宿るのでは、と。 >蝋梅咲く陽の光りの道 の辞が、復趣きの異なる別の世界像を彷彿とせしめ、跋に相応しい修辞であると感得を致しました次第でございます。
1おはようございます。 私はエゴを日本の言葉でいえば、煩悩(ボンノー)くらいの意味で使用しています。 できれば、表へ出したくないけれど、確実にある、エゴ。煩悩。 であるから、開きおなって、それはエゴ讃ではなくて、なにか 巧く付き合っていきましょう、レベルで捉えた方がいいかな、と思ったのですね。 なんだろう、ラストは、なんで月曜の夕べの道と、土曜日、日曜日の夕べの道は あんなにも趣きが違うんだろうと思うんですね。 それはつぶさな観察が必要ですが。 やっぱり、労働がキーなんでしょうね。 ありがとうございます。
1社会という現実が、転じて本当は夢だったと、今新たな世界に目覚めた一人の、本当の現実を表した詩。 手帳に書くものでもなんでも、降ってくる言葉というのは、現実と自分の中の世界のズレに対して、均衡や健全さを保つための白血球のようなものだと思います。そのため、「妄言をやめたら 世界は不思議だなと思った」という一行には、強く共感しました。 家や自身の肉体など、外殻をまた固め、新たな世界に足を踏み入れるこの詩の力から、一つの勇気を貰えます。人間の性が追究された、良い詩だと思いました。
1アメスピは値段が下がり本数も減り、種類も少なくなり、箱もずいぶんとスリムになりました。 まるで名刺みたいに収まりがよくなって。ここしばらくは買っていなくてまた買おうかというタイミングでこの作品のタイトルを見ました。 朝の目覚めから火を着け吸い出した、アメスピの煙とともに想念が語られ。 私の実感からか、工場での作業も興味深いですが、5連の春や鳥や空気といったものの登場に惹かれるようでした。コロナが少しづつ弱くなりマスクを外してといったときの新鮮かつ懐かしい感覚といいますか。吸ったり吐いたりが繰り返されている箇所によく現れているなと。 オーガニックであることを宣伝文句に売りに出されているアメスピシリーズと重なり合うようで、苦みも吐き出しつつ消えていくような終わり方もうまかったです。
1こんばんは。 社会というものがある程度可視化された事もあって、また、自分も経験というものを 踏んでいますので、じぶんの立場というものを客観的に捉えられるようになった というのは大きいですね。 確かに、そういう視点でいくと、ぶっ飛んでいる方とかそれは辛い方とか めちゃくちゃ沢山いると思ったんですね。 何を小さな事で、例えば以前の職場の夢を今、みてちょっとむしゃくしゃしてるのか。 結構、文学で、ストロングスタイルで書いてる方って真面目な方、多いと思うんです。 何か、ビーレビュー眺めていても、デリケート過ぎん?とか思うのですね。 それはやっぱり私が、強くなったからだと思うんですね。 大丈夫ですよ。詩を書いてじぶんと向き合う事はぜんぜん無駄じゃない。 ですから、なんだろ、そういうメッセージみたいなものを いやらしくなく、自然主義から現代詩っていう流れを汲みつつ 今回は書きました。 いい言葉頂きました。ありがとうございます。
2こんばんは。コメントありがとうございます。 一応、禁煙しているんですけれど、厳密な意味で禁煙できてないんですよ。すいまへん。 で、アメスピって14本入り?で、安いじゃないですか。 たまに一本喫っちゃうんで、パックは一応持ってて、それがアメスピなんですね。 私は最近、多動なので、いつも時間は潰せて、集中してるんで、煙草はそんな要らないんですよ。 煙も肺に入れないですし。 今、寒波が来るらしいですけれど、昨日、今日とかほんと私の住む地域は晴れまして ポカポカで、三月並みの陽気だったらしいんですよ。 春の到来というのはやはり、日本人を安心させるといいますか それと、絶望的だった過去→冬、とかけて、展開させてみました。ありがとうございます!!
1オリジナリティーがあり好印象です。
1こんばんは。 湖湖さん、返信遅れてしまってすみませんでした。 その、過去の事とか今現在の事を、さっさと書きとめていますけれど 経験といいますか、個人にしかない経験にオリジナリティーというのは 宿るような気がするんですね。 みんな、各々、自分しか体験した事のない人生を生きているわけで。 その、自分の経験、体験を、しっかり表現できたようで嬉しいですね。 本当にコメントに感謝しています。
1こびりついた記憶で構成された夢の中で おれはいつだって夜の中に残されていました って言葉に惹かれました。また時々、構成が出てきますが、好きなタバコで構成していきたいのかなって勝手に思いました。
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