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悲しみまでの距離
例えば、あなたの住んでいる街がテレビに映ったとき。あなたの住んでいる街の名前が、テレビに映ったあの瞬間。 例えば、翌朝もう一度テレビをつけた瞬間。昨日のあれらの結末を、日の光のもとにまざまざと見せつけられたあの一瞬。 例えば、あなたの声が聞けない、たったの一瞬。一秒。それが折り重なっていく、何の意味もない一日。 私は確かに、ひとつひとつ絶望しては、少しずつ確実に、悲しみへと近付いている。この一歩先に進めば喜びと安堵があると信じて、その実、私は悲しみに進んでいた。それが悲しみだとわかっていたのに、私は進まなければいけなかった。一瞬、一秒、それら全ては、後ずさることを許さないから。 たったその数刻で、おまえ、私より少し少ないくらいしか生きていない青二才のくせに、私を置いていきやがった。
悲しみまでの距離 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 474.8
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-15
コメント日時 2024-01-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
悲愴を、感受致しました次第でございます。 テレビを通じて報道される、誰かの死。 無数の他者の死の許に築かれる平和と、何時か自身もその無数の他者に加わるであろう、という予感。 平和とは、実際裡には蓋然性に拠って所与をされた不確かな一状況に過ぎないのでしょう。 犠牲を伴わない平穏は無い、と痛感をしつつも。 現実の一側面を抉りになられた、御作であると。
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