父は晴れ男だ
天に手をかざして
ハッ!と言うと
百発百中
雨はあがり
曇天はみるみる晴天に変わる
父は人間じゃない
本当はたぬきなんだ
私だけがそれに気づいている
かつては森に住み
時々、里へおりてきて
なにかに化けて人を驚かせるのが好きだった
それがある日
人間に化けたきり戻れなくなった
つまり私はたぬきの子
晴れ男になるには
晴れの神様と出会わなきゃいけない
晴れの神様はどこにでもいるから
なかなか見つからないという
父は人間に化けた日に晴れの神様と出会った
けれど、私にはわかる
晴れ男になった父は
もう森へ帰れないから
まん丸お腹をポンと叩いて
いつも得意気に笑ってみせることを
晴れ男にも雨女にもなれなかった私
森を知らないたぬきの子
明け方から降り続いた雨は止んで
きっと晴れの神様はそこここで微笑んで
父はお腹をポンと鳴らして
悲しいほどに
空は晴れ
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 1077.2
お気に入り数: 2
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-09
コメント日時 2024-02-15
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1077.2
2024/11/21 20時45分16秒現在
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佳い、と思いました。自由に書いていらっしゃって。 をかしみとかなしみの折衷が結句三行に凝縮されており、見ものでございます。 分り易い文体ですから、人気も集まることでございましょう。
1いいと思いました。
1ありがとうございます!
1ありがとうございます。佳いと言ってもらえて光栄です。
1コメント失礼します 連区切りの構成と脳裏に情景が浮かびやすいことばづかいから、変に抵抗も感じず読みやすい詩だと思いました。 また“晴れの神様”という言葉がとても好きです。この世にいるか分からない、知り得ない存在を詩に登場させることで、読者を少し考えさせるようなところが素敵だと思いました。
1晴れの神様を気に入ってもらえて嬉しいです。 読みやすい詩になっていたようで安心しました。 ありがとうございます。
1ユーモアセンスがあって面白かったです。
1ありがとうございます。
1こんにちは。 テキスト全体にある種のテンション、緊張感がありますね。 過ぎれば、この詩を読んでちょっと元気になるってあるのかな、と思いました。 今わたしはニュートラルな感覚だったのですけれど、読んで、今日通院なのですけれど ちょっと気張ろうと思って。それって凄い事じゃないかな?と伝えたかったです。
1ありがとうございます。こちらこそ頑張ろうという気持ちになりました。
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