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この詩の中に全体に溢れる優しさを私はとても怖いと思った
いい詩とは、なんだろうか? >この世界は生きる事の出来ない命乞いと 死ぬ事の出来ない自殺願望で溢れていた 書き出しの二行にとても説得力を感じました。 >諦めずに成功した人より 諦めて救われた人の方が遥かに多い 諦めずに成功した人より諦めて成功した人。 これは正に彼岸のことを言っているのだと思う。 諦めた地点にその人がなにを諦め、なにを得るべきだったのか? と言う答えが出るとしたら、それを拒否したい思いがあるからこそ諦められなかったんだと言う思いが皆あるのではないか? SNSで発信すると、コンテストに比して、いい詩が埋もれてしまうことが多い。 それぐらい、いい詩だ。色々わかっている人が、書いていると思った。余裕と貫禄を感じました。 >この世界は飢餓故の餓死と 飽食故の病死で溢れていた 人間は地球の病気 ウイルスは地球のお薬 私は「もののけ姫」と言うアニメが嫌いで、あれが少し怖いと思う。 人間が底辺の中にある暴力衝動と向き合うと、それを抑え支えるものが必要になると思う。 それがこの詩の中にあった気がする。 優しさや愛を人に感じ伝える時、意味合いより言葉遣い、音楽的な響き。感覚的なものでそれを感じた方が、いいんだと思う。 そのため、この詩はいいと思いました。 根底には、作者の持ってる闇の深さが、ある。 この世界は灰色の世界、眩しいばかりの光と、闇。燃えるような熱さ。そしてそれを見ている誰もが、どこかで冷めながら、それを表に出すことは難しい。しかし、それが出来ると言うことは、どこかでこの人は諦めたのではないか? 諦めないと、冷めていた自分を認め、曝け出すことは難しい。どう言う人なのだろう? つまり、本当はそこまで闇が深くないのだけれど、社会的には闇が深いと言われるタイプ。 >金は人生において 必要なものを与えてくれても 大切なものはなにも与えてはくれないからね 夢とは、なにか? 人が拒否したいものはなにか? 実は無償の優しさ、愛であり、そのために夢を追い求めているとしたら、なぜそこまで愚かなことを人はやりながら、それを立派だと言ってしまうのか? それに気づく大人は賢い。 みんな無理をせずにいる自分が嫌いなのだ。 それでいて、無理をしたくない。無理はするなと他人にはいう。優しい。 その優しさが人をダメにする。と思う時もあるけれど、本当は違うのかも知れない。 この詩の中に全体に溢れる優しさを私はとても怖いと思った。 >僕の人生が一生不幸かどうかを確かめる為に生きてみる 本当は不幸も幸せもないと言えばない。私はそう思う。 人間が他者を求めるとは、客観的な視点を常に必要とするからだと思う。 完璧を求めると言うことは、鏡を否定する行為に等しい。完璧ではない。 不完全だからこそ歌はいい。その不完全性を認めると言う点において、視点の深さ広さ奥行きをとても感じました。凄い詩だ。 いいものを感受して、認められた時自分を凄いと思う。 私はどうしても批評家癖が抜けないのだ。
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作品データ
P V 数 : 403.5
お気に入り数: 1
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作成日時 2024-01-08
コメント日時 2024-01-08