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鴎
あの人は鴎に跨っていってしまった やがて一通だけ手紙が届き 輝く勾玉を愛しながら 鴎の羽毛に顔をうずめているという 私は 急に ひとり 玄関のドアが開いた気がする 冷蔵庫を閉めた音がする しかし かすかな期待は外れ 自分の手を自分で温めた 次の朝 鏡を見て嘘だと思った 私が写っていない 疲れているからもう一度寝ようと でも ベッドには私の寝巻を着た骸骨 あの人はどうなってしまったのか 私は飛行機のような飛行機 手紙の住所を訪ね 呼び鈴を鳴らそうとしたら 肩をたたかれた 振り返ると鴎がほほ笑んでいた あれから間もなく 鴎は敵機に撃たれ海の底 あの人は 勾玉をかかえ ひとりで頑張ったのだという 呼び鈴を鳴らすと 杖をついた老婆が迎えてくれた 私と鴎と老婆は 再開を喜び 苦労をねぎらい 思い出を語った 暗くなるころ 中年を超えたあたりの男性が 「母さん、またひとりごとばっかり この頃ますますひどくなるね」 と無神経なこと!
鴎 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 701.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-12-20
コメント日時 2023-12-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
タイトルでもあるので、この詩でカモメが重要な役割を担っているのは直感できるのですが、それ以上に気になるのが勾玉で、この勾玉は何なんだと言う事が分かればこの詩が分かるような気がしました。
1エイクピア様 コメントありがとうございます。勾玉ですね。解釈は自由ですから、想像したように読んでいただければそれでかまいません。まあ、私の筆の力が足りないということでどうでしょうか(⌒∇⌒)
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