ちいさくあるために、ちいさく冷えて、
燃焼する、
水脈の中央に架けられて
ふるえる陸橋の
やわらかな鎖骨のうえに立っている
ここというここの
そこのそこ
雲は未然のまま
ひとしく流れ
副詞のように
うるむ視界を覆いながら
微弱なほとぼりをかすめとってゆく
みえない不和
皮膚をつつく雨
ここにあるすべては
ずいぶん遠くからやってきた
徒歩とともに
随想が染み
空の前後が入れ替わってゆく
法則をくぐるにも飽き
ふくよかなまっさらが賑わって
鎮座がねむる
塔の奥に入る
しろい作文がうごめき
行方が冷えて
まるい健忘がつづく
戸の向こうに消える
墓碑はない
透徹はない
ふたつの経度で
ひとつの緯度をたたく
水平の暮れ
ただのぼるように
ことさらに小さく、冷えてあるために、
しずかに燃焼する、
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 683.3
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作成日時 2023-12-08
コメント日時 2023-12-11
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 22時56分53秒現在
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何かしら強いモノを書いてはいかない。そういうところ、なのでしょうが。そんな深層は、やはりただ提起するには難しいものです。私はこういった詩に惹かれますが、どうなのでしょうね、もっと目を向けて見ても、良いものとは感じるのです。
0つららのたりない冬 素知らぬ顔で ゆっくりと通り過ぎると 未踏がかじかみ 秘話も捥がれ すこしずつうつつが染みだしてくる
0読み終えた後、静かなため息が出るような、そんな詩の世界だと思いました。上手く言葉にできませんが、とても良い読後感でした。
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