壁を殺す - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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壁を殺す    

蛾の根をのみながらあるくあるくように 下の句で電気がわらってる ゆるせないので おおきなパワーを蓄積しようと ビルをとぶ ぜんぶが冷えてゆき まわってくる これは遊びなんかじゃないのだ ざんねん 法則でないものが 法則であるような顔をして 駅になる 盤上には凍った左脳が捨てられていて くるしい 水なんぞ わからぬ位相でわらえ 水なんぞ ぶちぬいてしまえ ちまちませせこましくささってくる 暴力でないもの を数えると 病原が映像する街に 回れ右 たましいは依然とぼしく 夜ぼーぼーに生えてくる ざんねんだろう 飲みくだせる辞書がないというのは これはちからだ ゆるせるまで 胞をはなつこれはてきのちからだ 踊り場で銃創がわらってる 閉じないかな 閉じるかな おお 閉じた



壁を殺す ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 845.2
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 18

作成日時 2023-11-22
コメント日時 2023-12-10
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性20
前衛性50
可読性20
エンタメ20
技巧20
音韻20
構成30
総合ポイント180
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性55
可読性22
 エンタメ22
技巧22
音韻22
構成33
総合1818
閲覧指数:845.2
2025/04/12 03時00分03秒現在
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    作品に書かれた推薦文

壁を殺す コメントセクション

コメント数(4)
A・O・I
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(2023-12-02)

おもしろいんだけど、言葉の意味として単純で、それでは理解ともセンスとも引きが足りないかな。これ以上書いてしまってはたしかに違うことになってしまうから、これはこれでしかないのだろうけど。詩を書いている、そのこと事態、と私はそう読み取れました。

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田中宏輔
田中宏輔
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(2023-12-03)

蛾の根という言葉でつまずいた。

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狂詩人
狂詩人
作品へ
(2023-12-10)

鮫は激しく歌で死んでいた、 鮫は激しく歌で死んでいた、 樹は激しく模倣、樹は激しく模倣、 死んでいた、

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熊倉ミハイ
熊倉ミハイ
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(2023-12-12)

最近、シュルレアリスムでおなじみの安部公房「壁」を読んだばかりの中、この詩が目に留まった。 この詩は、夢の中のように「あるくあるく」と浮遊感を含んだ歩行から始まる。「おおきなパワー」はビルを飛び越え、「法則でないものが/法則であるような顔を」する不条理な世界観がそこにある。その法則は「駅」という、世界の広がりをさらに予見させる存在になっていく。 「ざんねんだろう」と不条理そのものが我々に迫ってくる。単なる言葉遊びではなく、現実を超えて浮かび上がる記号をぶつけられる恐怖。それは、「飲みくだせる辞書がない」という無秩序や、理性を司る「左脳捨てられて」いることから伝わってくる。この「ちから」は、我々の従来の価値観を「ぶちぬいて」いく脅威だ。我々はそうして身体にできた「銃創」を、さらに開いて未知の世界に適応するよう変身するのではなく、厚く壁を「閉じ」ていく。人間のそういう精神性に対して、「壁を殺す」というタイトルに強い決意が現れている。 狂詩人さんの作品は初めて読みましたが、この決意がどう変わっていくのか、追っていきたいと思いました。

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投稿作品数: 2